『ノエイン もうひとりの君へ』【B-71】
『ノエイン もうひとりの君へ』(ノエイン もうひとりのきみへ)
おススメ 【B】
話数:全24話
今までに見た回数:1回
制作年:2005年10月-2006年3月
ジャンル:SF
1. 設定(世界観) |
8 |
2. ストーリー展開 |
7 |
3. 登場人物設定 |
8 |
4. キャラデザイン |
6 |
5. 作画(背景/美術) |
9 |
6. 演出(アクション) |
6 |
7. 声優 |
7 |
8. 音楽(OP/ED) |
8 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
7 |
10. その他 |
5 |
合計 |
71 |
ストーリー
無限にある時空の内の一つ、この世界から見ればなり得るかもしれない、15年後の世界の中の一つ「ラクリマ時空界」は、別の時空「シャングリラ時空界」と恒常的な闘争状態にあった。地上は荒廃し、人々は地下での生活を余儀なくされている。「竜騎兵」たちは超常的な戦闘能力をもって、シャングリラから送り込まれる兵器・遊撃艇を撃破する。しかし、ラクリマの劣勢は誰の目にも明らかだった。かくして竜騎兵に、シャングリラの侵攻を防ぐ切り札「龍のトルク」の奪取が命じられる。
現代、夏。函館に住む小学6年生上乃木ハルカは、友人たちとともに残り少ない小学生生活を満喫していた。唯一の気がかりは、中学受験を母親に強いられ、ストレスで押し潰されている幼なじみ後藤ユウのこと。そんなハルカの前に、黒いマントをまとった一団が現れる。彼ら……ラクリマから転移してきた竜騎兵たちは、ハルカを「龍のトルク」と呼んで付け狙う。その1人カラスは、他ならぬユウの15年後(ラクリマ時空界で)の姿であった。
Wikiより
よく考えられ、作られた作品だったな。というのが観終わった一番の感想。
始まり方は興味を惹く内容、中盤は少し退屈に感じましたが、終盤は手を止めることなく続きが気になって楽しめました。まとめるのは難しい話ですが時空を超えた友情、愛情の話です。
さきに気になったところから言うと、中盤の失速は暗い話が多かったのが原因か。主人公の天然キャラのおかげかスムーズに観れたところはあるが、小学生という年齢設定から見て少し暗かった。また小学生が人間関係や隠し事に悩む時間が長すぎた。丁寧にみせていると言えばそうだし、年相応な気もしますが私には少し違和感。
予想できない展開が待っているというよりはなにか地味というか盛り上がりに欠ける物語で退屈にさせたのかも。ちょっとスリリングさやワクワクが登場人物たちの年齢に対し足りなかったか。
というより「ユウ」がうじうじとしててイライラさせられたのかも(笑)
ただ、どれも不要な話では無かったことは付け加えます。
サブエピソードは後の話の為には重要なものだったが、設定の並行世界とのトラベルという設定と恋愛の話はバランスが取れていなかったように感じる。ただこの作品の魅力はやっぱり「カラス」で、ハルカへの一途(ストーカーチック?)な想いは、年齢が違えど(ロリコンに見える?)変わらないことにあると思うのだが、そのカラスがハルカを好きでいた理由になる明るい方の話がもっと必要だった気がする。
とあれこれ書きましたが、しかし終盤怒涛の展開へ。タイトルの「ノエイン」が登場するまでは量子力学のSF設定はこの作品の魅力に見えないところもあったが、登場後はグッと意味を持ちます。
専門用語は説明不足で理解できないままのものが多いまま進みましたが、意外と世界観の説明はできていて、またアニメで表現できていることは評価。
【ネタバレ反転】
ハルカの相手役のユウ、ハルカを守るカラス、ラスボスの「ノエイン」、全てが同一人物というこの世界観ならではの設定は面白かった。
細かいことを気にしないで根本的なところだけを観ればしっかりと話ができていますが、レビューを書くにあたって説明が皆無だったものも何点か残っていることに気づきました。私には視聴後特別気にはなってませんでしたので問題ありませんでしたが。
風景の作画はピカイチ。函館が美しかった。また特にOPのおかげでグッと世界観が増した印象。
しかしキャラ作画はよく指摘されている通り、大きく変わったり、崩れる(?)ことが…。赤根監督の特徴とのことですが好き嫌いは分かれそうです。キャラデザインも他のアニメに比べ特徴が出ている為好みは分かれるところ。
バトルシーンは見どころが多かったが同時に荒々しさで気になったところも多数。それも味といえば味ですが。
最後に指摘の通り、キャラ作画等に癖がありますが、作品の軸はブレを感じない造りこまれた作品でした。雰囲気は全体的に暗めでエンターテイメント性は低く見えますが、見どころは多くあります。
ストーリーも基本的には無駄が無いものなので、何か一本しっかりと観たい気分のときに観るのをおススメします。