『つり球』【C+68】
『つり球』(つりたま、tsuritama)
おススメ 【C+68】
話数:全13話
今までに見た回数:1回
制作年: 2012年4月-6月
ジャンル:SF・青春
1. 設定(世界観) |
7 |
2. ストーリー展開 |
7 |
3. 登場人物設定 |
9 |
4. キャラデザイン |
7 |
5. 作画(背景/美術) |
6 |
6. 演出(アクション) |
7 |
7. 声優 |
6 |
8. 音楽(OP/ED) |
4 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
7 |
10. その他 釣りで地球を救え! |
8 |
合計 |
68 |
ストーリー
神奈川県の湘南・江の島に引っ越して来た男子高校生・真田ユキは、他人とのコミュニケーションが苦手で、これまでの人生で友人と呼べる存在がいなかった。学校への転入当日、ユキは宇宙人を自称するもう一人の転校生・ハルから強引に釣りに誘われ、不機嫌な同級生・宇佐美夏樹も指南役として巻き込まれる。最初は嫌々だったユキだが、釣りに楽しみを見出し、仲間を見つけ、変わった自分を実感する。
そしてある日、江ノ島には神隠しが多発したことが原因で、誰も入らなくなった人工魚礁があることを知る。
Wikiより
江の島に引っ越して来た男子高校生が主人公。彼は転校を繰り返してきたせいか、コミュニケーションが苦手で友人が出来ないタイプ。さらには緊張したりすると表情が般若のように強張ってしまうという子なのですが、この主人公を含め数人が釣りや超展開によって、成長していく過程が私的なこの作品の見どころ。
タイトルに入っている「釣り」に関してはがっつりとした印象はなく、適度な感じで掘り下げられている程度。逆に言えば釣りに興味がなくても観やすいかと思います。それでも釣りの魅力は充分伝わってきます。
ただ普通に高校生の成長物語や釣りの話、というアニメではなく、宇宙人だとかごちゃごちゃと出てくるSF設定は突っ込みどころ満載。最終的には釣りで地球を救おう!(だから「つり」「球」なのか)となっていくわけですが終盤の展開はちょっと強引で長い感じ。しかし、最終話の釣りは地球をかけた命がけの釣りで、作画に演出といいなかなかの釣りシーンで迫力がありました。
全話見て振り返ってみれば地球を救う話も、いつの間にかごく自然にスケールアップできており、ストーリーも綺麗にまとまっていた印象。
設定やストーリーの他に、何よりも特徴的なのはカラフルな画面。背景処理も独特で最初は目がチカチカしました(笑) 好き嫌いは分かれますが、私は2話も観れば慣れました。ただ作画がいいかといわれると荒い面も多く、描写が適当にみえるシーンも目立ったが、カラフルな色彩でうまくごまかしているのでそれも特徴というところか。
EDは大幅減点。スピッツ原曲の「空も飛べるはず」が使われているのですが原曲の印象が強く、正直カラオケレベルで今一つ。同じノイタミナ枠の1年前の作品、『あの花』のEDは10年という時間の経過という意味で曲のチョイスも良かったし歌もうまかったから高評価にしたが、こちらは私には意図がみえずあの花に倣っただけに感じた。
釣りというエッセンスの中に徐々に強くなっていくSF展開、それでも存在感のある青春と成長模様。様々な要素を強すぎるくらいのレベルで混ぜ合わせているのに崩壊することなくまとめあげ、とてもアニメらしくあるのに、他のアニメとは異色の作品です。
うまく尺をまとめれば映画にできそうな話でした。映画と言って思いましたが、少し『サマーウォーズ』に近いのかもしれません。人を選ぶ要素も多いのですが一本きちんと観れる作品です。