『とらドラ!』【A-80】
『とらドラ!』
おススメ 【A】
話数:全25話
今までに見た回数:2回
制作年:2008年10月 -2009年3月
ジャンル:学園・青春・ラブコメ
1. 設定(世界観) |
6 |
2. ストーリー展開 |
8 |
3. 登場人物設定 |
9 |
4. キャラデザイン |
8 |
5. 作画(背景/美術) |
8 |
6. 演出(アクション) |
9 |
7. 声優 |
8 |
8. 音楽(OP/ED) |
8 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
7 |
10. その他いろんな愛のカタチ |
9 |
合計 |
80 |
ストーリー
その目つきの鋭さのため、不良に見られてしまうことを気にしている高須竜児は、高校2年に進級し、以前から好意を寄せていた櫛枝実乃梨や、親友である北村祐作と同じクラスになることができた。一方で、新しいクラスメイトの間にはびこる「高須は不良」という誤解を、また最初から解かねばならないことが憂鬱であったが、実乃梨の親友で「手乗りタイガー」こと逢坂大河との出会いにより、意外に早くその誤解は解かれることとなる。
Wikiより
目つきのするどい顔ゆえに恐れられている「高須竜児」とキレやすい凶暴な性格ゆえに恐れられている「逢坂大河」の学園ラブコメ。ラブコメとはいってもシリアスな話が後半につれて多くなり、最終的にはコメディ要素は薄くなる。
見えない「愛」を見ようと高校生たちがもがく青春ストーリーが見どころで、それぞれに正直になれないキャラクター同士の衝突を中心に描かれている。
分かり合いたいのに自分のことすら分からない。不器用すぎるキャラクター達は青春の中で恋をして、愛を知る。物語は結末を予想できる内容だったが、最後まで彼らの心情の変化を中心に観る事ができる。
総合的には文句なしにいい作品でした。今回のレビューにあたり再視聴しましたが、2度目でも面白いと感じることができ一気に鑑賞できる魅力。特別なファンタジーやSF要素も無く、エロ描写も無い作品でありながら、普通の学園のみという素材とシンプルな設定でもテンポよく繰り広げ、キャラの心情変化と次を期待させるストーリー展開はうまく出来ていた。
ただ、終盤の二話は一気に駆け抜けてしまい釈然としない気持ちが残ってしまう結果に。それまでにあったストーリーで省いてもよさそうなものもあったのでもう少し最後に余裕がほしかったところ。というのもこの作品の根底にある、恋の悩みの先に現れた「家庭」という悩み。終盤では主人公たちが自ら「大人」へと急成長を図ることで幸福な「家庭」を作ることを目指し、ヒロインが主人公を信じて母親との同居を選んで終わるところは単純な学園恋愛アニメとは違った印象を受けました。(私としては、ヒロインは母ではなく父との同居という最後だともっと高評価だったのですが)
しかしこの辺の重要な描写があっけなさすぎて伝わりきっていないと感じたことと、主人公の進路が曖昧なままだったので、彼の成長という側面も含めると作品としてしっかり締めてほしかった。本当に最後次第で評価がもっとよくなっただけに少し残念なところだ。
登場人物に関しては全体的にメインの女性陣が暴力的すぎます(笑) そして女の内側まで結構リアルに描写するのでドロドロした印象も。この生々しさが苦手な人もいそうで評価が分かれるところですが、少女マンガのような印象もあるので女性にもおススメしやすいポイントでもあります。
個人的にはサブヒロインの「亜美」に関して少し不満あり。4人のバランスに介入する形で途中出場しておきながらも、自身は後ろに下がる形で中立という立場をとり、最終的には彼らの起爆剤へと甘んじるわけですが、これが「大人を演じる」彼女らしかったととるか、主人公から指摘を受けた「子供な一面」で踏み込んでこなかったのが残念ととるかで印象が変わる。結果グチャグチャなりすぎていないので物語としては正解なのですが私としては彼女が期待していた以上の動きが無かったのが物足りなかった。
作画は乱れがところどころあったものの、セリフ以上に感情を表現している描写も多く、大事なところではしっかりとした存在感。セリフが言い回しなどちょっとストレートでない箇所もあった分絵が語る魅力がありました(演出点にしました)。
恋愛ものとしてしっかり完結させた作品で観終わった後に気持ち悪さも残らない、内容もいろんな人におススメしやすい作品です。