『境界線上のホライゾン』【C+69】
『境界線上のホライゾン』(きょうかいせんじょうのホライゾン、Horizon on the Middle of Nowhere)
おススメ 【C+69】
話数:全12話
今までに見た回数:2回
制作年:2011年10月 - 12月
ジャンル:SF・ファンタジー・学園・アクション・バトル・コメディ
1. 設定(世界観) |
7 |
2. ストーリー展開 |
6 |
3. 登場人物設定 |
7 |
4. キャラデザイン |
7 |
5. 作画(背景/美術) |
7 |
6. 演出(アクション) |
10 |
7. 声優 |
7 |
8. 音楽(OP/ED) |
7 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
6 |
10. その他なんかスゴイかも!? |
5 |
合計 |
69 |
ストーリー
人類が天上から戻った時代。唯一人類が地球上で生活可能な土地を舞台に、改めて人類が天上へ戻ることを目的として過去の歴史を再現する世界。極東と呼ばれる国の独立領土「武蔵」にある学院の生徒たちを取り巻く騒動を描く。
Wikiより
原作を知らずに予備知識の無い状態で視聴を始めると、いきなり「ナニコレ?」な展開が続く。原作を知らない視聴者を完全に置いていく。原作のライトノベルを読めということね。と調べてみるとこれライトじゃないよ!というくらいのとんでもなく分厚い本が出てきます。いやいやこれを読んでいる時間は無い。せめてWikipediaをみて補間しようと思っても序盤の段階だとイマイチ分かりにくい。
完全に取り残されたままストーリーが進むのですが3話で あれ?なんでこんなにジワジワと来ているのだろう。5話で結構ハマっている自分に気づく。でも、内容がよく分かっているわけではない。それなのに面白さがある。
世界観は原作で作者が触れているのだが、設定資料がA4で780ページに及ぶ膨大なもの。短く説明するなら、地球を去った人類が荒廃した地球に舞い戻り、再び「天」に戻るため、歴史の再現をしている世界を舞台とした遠未来戦艦SFファンタジー といったところ。
もう少し細かく触れると、荒廃した地球では「神州」と呼ばれる日本列島以外居住不可能となった世界。日本以外の国の人々は異世界「重奏世界」を作り住み、神州人に制御装置「神器」を預け、再び天へのぼるため、地球人の歴史を記した歴史書「聖譜」をもとに歴史再現を行い・・・(以下略)
説明だけで何行かかるのか分からないのでやめておきます(笑)
アニメだけを観ても全て理解できるほど詳しく説明しないので原作かWikipedeiaを読んで理解しないと設定は基本つまらなく感じるでしょう。また、同作者の他の作品にも世界観が繋がっておりそちらも読まないと真の意味での理解はできないようです。アニメの初見時は原作未読だったのですが、実は2期の放送前に原作に手を出しました。アニメをきっかけにラノベ原作に手を出したのは久しぶりです。
テレビ放送のアニメとしてのレビューとなると、設定は理解ができれば面白いのですが先述のとおり説明不足気味。完全に初見の時は無理に理解しようとすると5話までが若干ストレスでした。7話あたりの説明でだいたい理解できてきましたが、2回目の視聴でないと前半何やっているのかいまいち分からない展開は評価しづらい。アニメだけでもある程度理解は可能ですが、原作を読んでみればかなりアニメでは結構省略されていたことも分かったので、やっぱり原作既読前提の作りです。これならハッキリ言ってOVAでも良くない? と思うところもありますが、バトルアクションやキャラクターもいろいろと魅力はあるので、原作未読でも好みが合えば結構楽しめます。
ストーリーで原作未読でもとりあえず分かることと言えば「馬鹿が囚われた姫を助けに行く」ということ。こう言うと単純だが複雑な設定を理解できればシミュレーションゲームの様な面白味も加わった楽しさに。
バトルアクションは魔法から兵器から、さらには他ではみることのなかった「討論・交渉戦」等いろいろ。この世界観らしいなんでもありのバトルは多彩な演出も加わり見どころは満載。なんでもありとは言ったものの、理屈やルールのあるバトル内容になっておりなかなか面白い。
登場キャラは1話冒頭からいきなり大量に登場しこれも不親切。この世界観らしくキャラのほとんどが色物でロボ、魔女、悪魔、天使、巫女、忍者、etc・・・。人間もいるのだがなんかいろいろぶっ飛んでいる(笑) まともに紹介もないままどんどん進むので名前や関係性なんて覚えていられない。だが徹底してブレのないキャラたちは真っ直ぐで分かり易い。妙にぷるぷるする巨乳キャラや裸の主人公、エロワードも多く、万人受けはしないし好き嫌いが明確に出そうではあるが、今後も話が続くことを踏まえると無駄なキャラというのは感じなかった。
複雑な設定・多すぎるキャラなど圧倒的な情報量を前にただただ困惑するか、何も考えずに細かいことはどうでもよくて面白いとみるか、詳しく知ればもっと面白くなるかもと原作やWikipediaを開くか、それぞれに感じられる面白さの差は大きく評価は分かれる作品。
中途半端にしなかった分完成度は高いが、どれもこれも突き抜けている分良し悪しが出てしまっており、視聴するものを選ぶという点はマイナス。原作未読の1回目視聴時は前半観ていて理解しようとすればするほど疲れた。
いっそのことノリだけで楽しみましょうとおススメしたいところもあるのだが、観る前でも観た後でもよいので原作も手に取ってみてほしい。原作で補間すれば面白さが増す濃い作品です。
素直にオススメ!と誰にでも言えないのは残念ではあるがこういうのも好きな自分に気付けました。
『生徒会役員共OAD&OVA』【C-63】
『生徒会役員共OAD&OVA』(せいとかいやくいんどもOAD&OVA)
おススメ 【C-】
話数: OAD:14話、15話、17話(2012年12月現在) 、OVA:16話
今までに見た回数:1回
制作年:OAD:2011年4月~ OVA:2012年4月26日発売
ジャンル:日常・学園・ギャグ
※画像はOVAパッケージ
1. 設定(世界観) |
5 |
2. ストーリー展開 |
5 |
3. 登場人物設定 |
8 |
4. キャラデザイン |
7 |
5. 作画(背景/美術) |
6 |
6. 演出(アクション) |
6 |
7. 声優 |
8 |
8. 音楽(OP/ED) |
4 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
4 |
10. その他下ネタエロネタ |
10 |
合計 |
63 |
ストーリー
舞台は、少子化の影響で女子校から共学校となった私立高校・桜才学園。新入生の津田タカトシは、ひょんなことから生徒会長・天草シノによって生徒会副会長に任命される。一般に堅いイメージがある生徒会だが、桜才学園の生徒会には癖のあるメンバーが待ち受けていた。
Wikiより
OADで発表された14話のストーリーはテレビアニメ放送の続きになり、新年度を迎えて主人公が2年生になる頃から始まる。主人公の妹も新入生で同じ学校に入るため登場回数が増え、一年生の登場人物も増える。OVAは16話の扱いになり話は2年生の夏休み頃の話となる。
すでにテレビアニメ放送の『生徒会役員共』を視聴済み、また前レビューを見ている人はすでにご存じだとは思いますが下ネタエロボケのラッシュです。
テレビでの放送時は規制が多すぎたがDVD制作が前提だとその辺りの事情もクリアなので本来の持ち味が活きていて面白い。このレビューにあたりテレビアニメ版もDVDの規制なしで改めて視聴しましたがこっちの方がやはりネタの危険度はさらに高め(笑)
この辺は続編をあえてテレビ放送向けで2期制作しないことのメリットとなっており、この作品にはよくあうスタイル。
しかし残念なのは14話、15話、17話がOADであること。(18話もOAD予定)
コミックの限定版特典となるため、私のように原作読者なら限定版を購入すればいいのだが、マンガの方に興味の無い方には非常に不便。DVDを手に入れようにもOVAと違い世に出回っていないので簡単に観ることができない。この辺は評価には本来関係ないのだが勿体ない。
OP、EDとも特に新仕様にはなっていないのと、唯一のOVAも16話の1話分しか収録されていないのが残念。せっかくならOADの14、15話を収録すればと思ってしまうのですが大人な事情があるのでしょう。しかしOVAの16話を観るだけでも『生徒会役員共』の原作ファン、テレビ放送が面白かった人、続きが観たい人は観て損は無いはず。テンポはテレビ放送版よりもさらに良くなっているしネタも過激さを増しており楽しめます。
OADという形でも、OVAでも、このクオリティで今後も発表されるなら、続きを楽しみに待ち続けたいと思えるので私はよしとしておきます。
後に数話分ストックが溜まった時点でOAD発表の話も何らかの形になって世に出ることを期待したい。
『フタコイ オルタナティブ』【C+66】
おススメ 【C+】
話数:全13話
今までに見た回数:1回
制作年:2005年4月 - 6月
ジャンル:恋愛・アクション
1. 設定(世界観) |
4 |
2. ストーリー展開 |
4 |
3. 登場人物設定 |
7 |
4. キャラデザイン |
7 |
5. 作画(背景/美術) |
8 |
6. 演出(アクション) |
9 |
7. 声優 |
7 |
8. 音楽(OP/ED) |
6 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
6 |
10. その他オルタナティブ |
8 |
合計 |
66 |
ストーリー
“――3人でいたい――”
日本のどこかにある普通の下町「二子魂川」の一角で、死亡した父親の跡をなんとなく継いだ私立探偵・双葉恋太郎。
彼の元に、謎めいた双子・白鐘姉妹が現れ、なし崩しのまま奇妙な同居生活が始まる。
犬猫探しぐらいしかない探偵稼業、個性豊かな住民たちとの触れ合い、時折騒動が起きつつも平和な日常は、いつまでも続くようだった。
しかし、数年前にニコタマを混乱へ陥れた組織の魔手が、恋太郎と白鐘姉妹の“3人でいる日々”を破壊しようと、再度ニコタマへ迫っていた。
Wikiより
ゲーム『双恋 -フタコイ-』が原作。同じ原作で二つのアニメが作成されており、もう一つの『双恋』はある程度原作になぞらえ若干設定を変えた中学生の青春物語、こちら『フタコイ オルタナティブ』は各キャラの立場等、原作のほとんどを変更したオリジナルの内容となっている。
特長としては原作から引き継いだ双子ばかりの街という設定。主要な女性キャラクターは双子ばかりで、慣れないと違和感が強い。同じ原作の『双恋』では全ヒロイン双子の設定がそれなりに活きていたが、今作ではメインの双子ヒロイン以外特に掘り下げも無いので無意味に双子なだけとなってしまっている感がある。この辺はファンサービスもあるだろうが、バッサリ削除した方が分かり易くなった気も。
ストーリーは私立探偵「双葉恋太郎」と、彼の事務所に転がり込んできた「白鐘姉妹(双子)」とのわけあり半同棲青春劇。メインの双子ヒロイン白鐘姉妹以外の他の双子は先述の通り脇役での登場のみ。なぜか青春劇に加え、SF?的な話も混ざりながら展開していきます。第1話からそのSFの伏線は散りばめられてはいるのですが、最後まで観ないと分からないことが多く、変な違和感として序盤から残ります。また、独特な「間」というか空気感のある雰囲気で展開するのですが、テンポの強弱はそれなりにはあったものの、基本的にはゆっくりした展開が多く、そこそこ重い話もあるのでこの辺が合わないと感じたら観るのをやめてしまう人が多そう。
さらにはスローなテンポに加え、後半の展開に癖がありすぎ、主人公と双子ヒロイン間の変化はドラマなのだが、SF的要素がどうもアンバランスに話の中に入り混じります。後に発売された今作のアドベンチャーゲーム『フタコイ オルタナティブ 恋と少女とマシンガン』では「燃え」もしくは「萌え」の選択肢を選ぶ設定 とありましたがまさしくこのアニメ、「燃え」と「萌え」とがスイッチしながら展開します。
ストーリーや設定は一癖双癖あるものの、アクションは派手で見どころが多く、まさに「燃え」ます。またヒロイン達も動作・表情・心情描写がすごく良く、パンチラ・下着・全裸などのエロ要素もあり、「萌え」ます。
普通なら中途半端と言ってしまうところなのですが、この作品の場合高いレベルの作画と演出でどちらも満足できたので、素直にこういう世界観も面白いと思えた。主人公の声優さんも作風にマッチングしていたこと、いい仕事をしていたことも大きい。
最後にタイトルの「オルタナティブ」の部分が原作や前作の『双恋』に対するオルタナティブだと思っていたのですが、双子のヒロインに対しての意味も含まれていたということに気付いたときは深さを感じました。
【参考:Alternativeの意味】
1(二つのうち)どちらかを選ぶべき,二者択一
2代わりとなる,代わりの.代替案
3慣習[伝統]的方法をとらない,新しい.
Weblio英和辞典より
イカれたストーリーですが、空気感・雰囲気があえば楽しめるかと思います。いつかまた観たくなると思うくらい印象に残った作品でした。
『BLACK CAT』【C-64】
『BLACK CAT』(ブラックキャット)
おススメ 【C-】
話数:全24話
今までに見た回数:1回
制作年:2005年10月 -2006年 3月
ジャンル:SF・ファンタジー・アクション
1. 設定(世界観) |
4 |
2. ストーリー展開 |
4 |
3. 登場人物設定 |
5 |
4. キャラデザイン |
8 |
5. 作画(背景/美術) |
7 |
6. 演出(アクション) |
5 |
7. 声優 |
7 |
8. 音楽(OP/ED) |
9 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
10 |
10. その他イヴー! |
5 |
合計 |
64 |
ストーリー
「秘密結社クロノス」に暗殺者としての優れた才能を認められ、クロノスの精鋭部隊ナンバーズ特例の13人目として採用された、トレイン=ハートネットは、抹殺者(イレイザー)として暗躍し、裏の世界では、通称「ブラック・キャット」と呼ばれていた。
Wikiより
原作は週間ジャンプで連載(2000~2004年)していたマンガ。現在は『To LOVEる -とらぶる- ダークネス』を連載する矢吹健太朗先生の過去作。
ストーリーは原作と比べると変更点が多く、原作ファンからは賛否両論ある。私は原作を読んでいるが、原作よりもアニメの方が好み。話は全体的には良くまとまっているが、主人公「トレイン」のファンには物足りないストーリーになっています。
というのも、序盤は「スヴェン」で始まり、「イヴ」で終わるといえば分かり易い。さらに多くのサブキャラにスポットを当てるので話が散漫気味。さらに後半では今までのキャラが総出演し、それぞれに見せ場を作るので主人公の存在感がさらに薄れ、原作ファンへのサービスなのだろうなぁという感じは否めない。そのせいで特に感情移入するキャラも無く淡々と進んでしまう印象。
展開としては原作部分を少し残しながらも異なる話の方向に進んでいくので、原作を読んでいる方でもこの続きはどうなるんだろうという見方ができます。私はその点で楽しめました。
ただ、うまくまとめられてはいますが細かく観ていくと矛盾点がみえたり、キャラクターの設定を前面に出そうとして失敗している展開が多々。世界観から真面目な作品だと思って観ようとすると躓くことは確実。一つの作品としてはちょっと物足りなかった。
ちなみに原作のマンガは有名なマンガの構図とほとんど同じシーンが度々登場することである意味話題になった作品。他にも某ゲームキャラのそっくりさん(オマージュ?)が登場したりと話題が尽きなかった。もちろんアニメでもそのキャラが登場するのである意味見どころです。
私はそういうこともあったので変な意識化で見てしまっていたこともあると思いますが、ところどころいろいろな作品の内容に類似しているなぁと思ってしまった。
特に驚いたのは子供化した話で、主人公の声が名探偵コナンの声になること…。
わざとやっているなら評価しますが(笑)
肝心なストーリーの方ですが、一言で説明すれば「トレイン」という元暗殺者が賞金稼ぎに転職し、暗殺者時代の仲間「クリード」と相対する という感じだろうか。カウボーイビバップのような話。
登場キャラはさすが女性キャラを描かせたら素晴らしい矢吹健太朗先生だけあり、女性キャラはなかなかいいキャラデザインで、『To LOVEる -とらぶる-』のファンなら登場キャラの「イヴ」を観るだけでも価値がある。
作画は原作の良さを出し切れていないがヒドイというわけではない。アクションは物足りなかったが劇伴がかなりよかったので、いまいちわかりにくい戦闘シーンも流れてくる音楽のおかげでスピード感あふれてかっこよさが出ています。またOP曲のかっこよさもすごくいい。
細かなことは気にしないで、キャラクターや、音楽等、雰囲気を楽しめるといいアニメです。ストーリーも私としては原作に比べてまとまっているし、観やすい作品です。原作ファンの方は「もうひとつのブラックキャット」、という感じで楽しめるかと思うので未視聴なら観ても損はないでしょう。
『映画けいおん!』【C+66】
おススメ 【C+】
今までに見た回数:2回
制作年:2011年12月
ジャンル:日常・学園・青春・音楽
1. 設定(世界観) |
4 |
2. ストーリー展開 |
4 |
3. 登場人物設定 |
7 |
4. キャラデザイン |
8 |
5. 作画(背景/美術) |
10 |
6. 演出(アクション) |
6 |
7. 声優 |
7 |
8. 音楽(OP/ED) |
7 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
7 |
10. その他 あずきゃっとくね |
6 |
合計 |
66 |
軽音部がパスポートを取得するまでを描いた第二期番外編「計画!」の後日談。
ストーリー
全員同じ大学に合格して後は卒業を間近に控えるだけとなった唯、澪、律、紬は、部室でお茶を飲みながらいつも通りの時間を過ごしていた。
ある日唯たち4人は、教室でクラスメートのバレー部が卒業旅行の計画を立てていることを知り、卒業旅行に行くことを決める。その話を聞いた梓も加えてロンドンに行くことに。その旅行中唯達3年生は、唯の提案で先輩として梓に残すものとして、梓に贈る曲のことを考えていた。
Wiki参照
劇場版にもかかわらず初めて観る方へ具体的に説明する様子も入れなかったことからも基本的にファン向けの内容で、アニメを観ていることが前提です。
2期のアニメを全話観た直後にそのまま続けて観ればまぁ良い作品と言えるのだが、劇場版として評価すれば辛口にならざるをえない点が多々。
個人的には映画ではのほほんとした感じだけでなく、迫力も欲しかったのでロンドンでの話ももうちょっと活かして大きくいくとか、ライブシーンをフルでやるとか、そういうのが欲しかった。音楽方面の演出でテレビ版を超える感じが無かったのは非常に残念。
ただ、この辺は好みの問題なのでこれまでの『けいおん!』をそのまま望む人にはこれでいいのでしょうけど…。
文句なしに作画や音楽のクオリティは高いのだが、それはテレビアニメのころからなので映画ならではのレベルアップは分かりにくい。
ただ、ちょっとしたシーンでちょこちょこと意外な動きをしており、その辺は見逃せない。
しかしこれも劇場で観ることを前提にすると分かりにくい。家でゆっくり観ている方が楽しめるような造りだ。
ストーリーに関しても卒業式前後の話で、2期で描かれていなかった追加編といったところ。テレビでも放送された後輩のあずにゃんへ贈る曲を作るというストーリー構成で、見ようによっては「またかと」なってしまうし、テレビアニメ視聴済の人にはオチが見えてしまっている。また、テレビの時のように長い流れがあっての最後のシーンとは違うので、これまでの貯めは少なく、2期視聴直後に観ないと感動はどうしても低くなってしまう。しかし、テレビ版の終わり方を台無しにするようなことはなかったので未視聴の方はご安心いただきたい。
ありがちな総集編に成り下がらなかったという意味ではこの手の作品の映画化ではよかった。また、4人がまだ在学中の話なのであずにゃん視点の話も多く、あずにゃん萌えの方にはもやさしいとも言えます(笑)
ちなみに『けいおん!』は原作では大学生編へと続きますがテレビアニメの視聴後はこの後も続きがあるなら観たい!と思ったものの、劇場版の視聴後は「彼女たちは高校生で終える方が美しい」と感じてしまいました。
ということで私としてはテレビアニメ視聴後に追加で観る番外編最終回として観ることをお勧めします。
『けいおん!』(K-ON!)【C+68】
『けいおん!』(K-ON!)
おススメ 【C+】
話数:全14話(本編12話+番外編2話)
今までに見た回数:3回
制作年:2009年4月 - 6月
ジャンル:日常・学園・音楽
1. 設定(世界観) |
3 |
2. ストーリー展開 |
2 |
3. 登場人物設定 |
7 |
4. キャラデザイン |
8 |
5. 作画(背景/美術) |
9 |
6. 演出(アクション) |
6 |
7. 声優 |
7 |
8. 音楽(OP/ED) |
10 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
8 |
10. その他 キャラ萌え |
8 |
合計 |
68 |
ストーリー
私立桜が丘女子高等学校に入学した田井中律は一緒に入学した幼なじみの秋山澪と共に軽音部の見学に行こうとするが、部員が前年度末に全員卒業してしまい、4月中に新入部員が4人集まらなければ廃部になると聞かされる。その後、合唱部の見学に来るつもりだった琴吹紬が彼女達を気に入り入部。3人は部の存続のため、あと1人を入部させるべく勧誘活動を開始した。
そんな中、主人公の平沢唯が軽音部の存在を知り、「軽い音楽って書くから、簡単なことしかやらない(口笛とか)」と思い入部届を出す。本来の活動内容を知り、自分にはバンドはできないと思い、入部を取り消してもらおうと部室に訪れた唯だったが、3人の演奏を聴いて心を動かされ入部を決意。こうして集まった4人は唯の楽器購入を手始めに、練習・合宿・学園祭とゼロからの音楽活動を行っていく。
Wikiより
放課後のティータイムがメインの日常系アニメ
原作は4コマ漫画。4コマと言っても原作ではしっかり時間の経過があったため、アニメでも主人公たちの時間は流れるのだが、高校入学~2年生の学園祭までを1クールでやってしまうので時間経過は非常にペースが速い。
ストーリーはほんわかした主人公「唯」が入学をきっかけに、ひょんなことから軽音部に入るところから物語は始まる。軽音部のメンバー4人(後に5人)を中心とした高校生の日常が描かれているのだが、基本的には練習シーンより、お茶をしているシーンばかり。
なので、音楽をメインにしたアニメという視点で観ると拍子抜けする。
またストーリー内容も、主人公唯は安易な気持ちで軽音部に入ったにもかかわらず、意外と簡単に25万円くらいのギターを手に入れ、練習描写もほとんどないまますぐに上達するのでバンド経験者ほど違和感というより怒りがでそうだ。 ただ、この手の話で主人公を苦労させてしまうと本来この作品の魅力である「ほんわかした雰囲気」は出せないので、日常系のアニメとして観るなら私としてはこれでOK。実際時間はすごい勢いで流れているので、練習の様子は脳内保管しましょう。
そして「恋愛」「熱血」などの要素も無く、もちろん「鬱」展開もない。山や谷の無いストレスも無い展開ではあるが意外とテンポよく見ることができる。しっかりしたストーリーがないとも言えるのだがこのアニメの魅力は主要キャラクター達が部活動の日常をほんわか過ごすことにあり、「キャラクター萌え」こそが『けいおん!』の真の魅力。主要メンバーにお気に入りが見つかれば楽しむことができる。とくにキャラクターに魅力を感じることが無ければハッキリ言ってつまらない。正直私は初見時、序盤のメインキャラ4人にはあまり魅力を感じることができず楽しめなかったのだが、メンバーに新入生が加わってからじわりとハマったタイプ。
話を戻すと日常系キャラ萌えメインで、音楽は味付けと言ってもいいストーリー内容だ。
とは言っても音楽の面で手を抜いているわけではない。本編中で演奏するオリジナル曲がかなり面白い。独特の歌詞が作品のほんわかした部分を盛り上げている。またライブシーンなどは細かいところまでクオリティが高い。
OP、EDもなかなか良い。実は私の場合ED曲が某動画サイトで耳にとまり、それが気に入ったのでアニメを観たという順番だったりする。「こんなかっこいい曲を演奏する軽音部の話かぁ!」と女子高生バンドのサクセスストーリーを期待して見始めたのだが、実際の内容は先述の通り。劇中の曲としてOP、ED曲も登場することもなく。
2度目になりますが、タイトルや関連CDが売れたこともあるので音楽系の素晴らしい作品なんだ~という先入観で観るとストーリー内容には拍子抜けします。
このアニメの放送直後から原作漫画がネット通販などで品薄、作中で使用されている実在のギターやベースといった楽器、ヘッドホンなどの小物も注目を集め大反響。一連のブームを作り出したことは素直にすごいの一言。
え、このストーリーでそこまで音楽やりたくなったか?とは思いつつも、私も一度は手放したエレキギターがなんとなくもう一度欲しくなったり(弾けません)。
視点の違いで賛否両論別れる作品ですが、1期については暇なときにゆるい感じで観てみることをお勧め。お気に入りのキャラができたり、面白いと感じることがあれば2期もおすすめします。
『夏雪ランデブー』【C-64】
『夏雪ランデブー』(なつゆきランデブー)
おススメ 【C-64】
話数:全11話
今までに見た回数:1回
制作年:2012年7月 - 9月
ジャンル:恋愛
1. 設定(世界観) |
6 |
2. ストーリー展開 |
4 |
3. 登場人物設定 |
6 |
4. キャラデザイン |
6 |
5. 作画(背景/美術) |
7 |
6. 演出(アクション) |
5 |
7. 声優 |
8 |
8. 音楽(OP/ED) |
8 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
6 |
10. その他 せつなさ |
8 |
合計 |
64 |
ストーリー
花屋でアルバイトをしている青年・葉月は店長の六花に恋心を抱いていたが、彼女は後家であり、三年前に病死した夫・篤がいた。
幽霊ながら葉月の恋路を邪魔し、妨害行為を繰り返す篤との三角関係が始まる。
Wikiより
原作は2009年7月号から2012年1月号までフィールコミックスで連載されていたマンガ。
主人公は22歳の目つきは悪いが一途で純情な青年。ふとしたきっかけから花屋の店長である30歳の未亡人に一目惚れ。その花屋でバイトを始めるのだが、主人公にだけなぜか店長の元旦那の幽霊がみえるという設定。
この元旦那の幽霊が主人公の恋路を邪魔するという、ちょっと一風変わった三角関係でなかなか面白い。ストーリー展開の方は序盤、微妙な恋愛感情の変化や心情描写がなかなかいい雰囲気だったのですが後半に失速。
元旦那の心情描写が多くなってきたころからペースがダレはじめ、主人公が元旦那に体を貸したところからは、ファンタジー要素も入ってきて前半の雰囲気から大きく変わってしまう。そしてダラダラと入れ替わり期間が長い。
それでも最後までは楽しめましたが個人的には最後がどうも気に入らなかった。
まぁ原作の通りらしいのでアニメ化してストーリーが問題になったということではないのですが。
終わってみて考えると、感情移入の先が主人公や元旦那だと、どうも救われないような気がするラストになった気がしますが、未亡人の店長に感情移入する立場の人には両方を大事に想えた結果になったでしょう(ネタバレ反転内にて後述)。そういう意味では女性の方がすっきり見やすそう。
結婚しているわが身としては少し考えさせられるとこもありなかなか面白かったと思っています。
【ネタバレ反転】
ラストの元旦那が何十年もずっと成仏せずに残っていたことに関しては、呼び止められ、主人公と店長が二人で旦那の思い出を共有して生きていくことに決めたためで、二人が死ぬことで旦那も解放されて部屋も本当の意味で不要になり成仏したと解釈しています。
なので、元旦那がねちねちしていたのではなく、二人が望んだ形だったのかと思うといい話だな~と思うのですがやっぱり「おじいちゃんと呼んで」と二人の孫に言ったのは主人公に感情移入していた人たちには、心と体に二人の男がいる状態で娘ができたという可能性を示唆している様で嫌な余韻残しすぎかと(笑)
まぁ救いは娘が主人公に激似だったということですが。
ある意味、未亡人店長に感情移入していた人にとってはそれもいい結果だったのでしょうか・・・。
他には、少ない登場人物でしたが声優さんが非常にいい仕事しています。
また、EDに入ってもいい曲が流れ、気持ちよく次へ次へと観ることができました。
全体的な完成度は高いと思ったのですが、たった4巻という原作ストーリーではちょっと12話は贅沢で長すぎた気も。部分部分でグッとくるものはありましたが私の中での名作を逃しました。
アニメ化するにあたってうまくストーリーは調整してほしかったなと思います。
未亡人に恋愛したことがある人、旦那や恋人を亡くした経験のある人、愛する妻を残して死ぬことを少しでも想像してしまう人。こんな方々には忘れられない作品になりそうです。