あにまな(animana)

アニメ(ANIMe)とマンガ(MANga)のレビュー記録ブログ。80点以上(A)でたら私のおススメです!

あにまな(animana)

『TARI TARI』【C+65】

 

TARI TARI 1 (特典つき初回生産限定仕様) [Blu-ray]

TARI TARI』(タリ タリ)

おススメ 【C+65

話数:全13

今までに見た回数:1

制作年:20127- 9

ジャンル:青春・音楽・学園

 

1. 設定(世界観)

5

2. ストーリー展開

6

3. 登場人物設定

6

4. キャラデザイン

7

5. 作画(背景/美術)

9

6. 演出(アクション)

5

7. 声優

8

8. 音楽(OP/ED)

7

9. 音楽(BGM/劇伴)

8

10. その他 泣いたり笑ったり

4

合計

65

 

ストーリー

白浜坂高校の声楽部に所属する宮本来夏は、ピアノ担当の上野みどりの譜面捲りを担当していた。前々から歌を歌いたいと希望していた来夏の思いを察したみどりは、顧問である教頭先生に一度言ってみたらと来夏に問いかける。しかし、来夏は教頭先生から去年の発表会での失敗を指摘されたうえに「音楽の才能は無いから諦めなさい」と断られたことに憤り、声楽部を退部して新たに合唱部を作ることを決意する。

Wikiより

 

合唱部という設定がなかなか新鮮ではあったが、どちらかというと合唱がメインの話ではなく、基本は青春ストーリー。

2年生のときに合唱の発表会で失敗をした主人公「来夏」は顧問の教頭先生に歌わせてもらえない声楽部をやめて、新たに合唱部を作るというところから始まる。

 

ストーリー展開としては序盤、落ち着きが無い。淡々とした1話で盛り上がることなくキャラクターばかりがどんどん紹介されていく感じ。しかし2話では急に話が進みだし1話の感覚でみていると置いていかれてしまいそうになる。バタバタした印象を受けるものの序盤の合唱シーンのデュオは素直に綺麗な歌声で一気に気持ちをアニメに惹きこんでくれた。

 3話からの話の流れは日常的なスロー展開へ戻り、改めて合唱部主要メンバーの獲得、そしてそのメンバーの青春ならではの悩みにぶつかっていくのだが、なかなか合唱のシーンが出てこないのが残念。人物描写はうまくできており高校生らしい感情表現や、ストーリーは爽やかに描けており、観やすい作品で同社前作の『花咲くいろは』に比べれば違和感は少なかったのだが気になった点は少しある。

結局のところ合唱という視点でみると、ストーリーは物足りない。青春系の話を集めた展開が3話以降続き、5人のうち3人は合唱部の活動をやっている意味があまり感じられないし、主人公本来夏のためにという理由も、主人公自体がどうも芯が無いようにみえるせいか特に感じない。

音楽にこだわる理由があったのは本当に1人だけ。そしてその完成した曲も最後の「廃校」というバタバタ展開で印象が薄くなってしまっている。無理にドラマ展開を入れて盛り上げなくても、曲が完成するまでの過程をみんなの青春ストーリーと絡めるとか、外国へ旅立つ仲間を見送るために文化祭で母と作った曲を歌うというだけのほうが、もっと曲にスポットがあったような気がしたし、合唱部らしい最後の締めくくりになったと思うのですが…。

さらに言えば最後にもってくる合唱はピアノのみで締めてほしかった…。

廃校展開は同制作会社前作の最後には旅館を閉める話にも言えるがちょっと単純。ここまでドラマチック展開でいくなら、これまでの合唱部の活動が評価され入学希望者が殺到し廃校免れるくらいの超ドラマ展開とかやってしまってもいいのでは?とも思う。

と個人的な勝手な感想です(笑)

 

ただ評価を下げた後半ではあったが、一度バトミントンでスポットを当て終わったかのように見えた「田中」が最後のほうでみせた「恋愛」要素の動きはかなり良かった。主人公そっちのけで男性票をぶっちぎり獲得しそうな「紗羽」にひょんなことから恋に落ちる瞬間はものすごく感情移入できたし、むずかゆい懐かしい記憶に触れられた()

そして最終話の彼の言葉は視聴者の想像にゆだねられ、結末も想像にゆだねられるところも非常に良かった。

 

特に難しい話があるわけでもなく単純明快。青春模様も爽やかで観やすく、声優さんの「合唱シーン」は魅力的だった。ちょっと単純すぎるキャラ設定だったり、リアルな話なのに妙にアニメ的なところがあったり、ストーリーの練りこみが足りないのは少し残念だが、ライトな作品になっているのですっきりと面白い。私はまた観ようというところまではいきませんでしたが、一度観てみる分には良い作品です。

 

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『つり球』【C+68】

つり球 6【完全生産限定版】 [Blu-ray]

『つり球』(つりたま、tsuritama

おススメ 【C+68

話数:全13

今までに見た回数:1

制作年:  20124-6

ジャンル:SF・青春

 

1. 設定(世界観)

7

2. ストーリー展開

7

3. 登場人物設定

9

4. キャラデザイン

7

5. 作画(背景/美術)

6

6. 演出(アクション)

7

7. 声優

6

8. 音楽(OP/ED)

4

9. 音楽(BGM/劇伴)

7

10. その他 釣りで地球を救え!

8

合計

68

 

ストーリー

神奈川県の湘南・江の島に引っ越して来た男子高校生・真田ユキは、他人とのコミュニケーションが苦手で、これまでの人生で友人と呼べる存在がいなかった。学校への転入当日、ユキは宇宙人を自称するもう一人の転校生・ハルから強引に釣りに誘われ、不機嫌な同級生・宇佐美夏樹も指南役として巻き込まれる。最初は嫌々だったユキだが、釣りに楽しみを見出し、仲間を見つけ、変わった自分を実感する。

そしてある日、江ノ島には神隠しが多発したことが原因で、誰も入らなくなった人工魚礁があることを知る。

Wikiより

 

 

 江の島に引っ越して来た男子高校生が主人公。彼は転校を繰り返してきたせいか、コミュニケーションが苦手で友人が出来ないタイプ。さらには緊張したりすると表情が般若のように強張ってしまうという子なのですが、この主人公を含め数人が釣りや超展開によって、成長していく過程が私的なこの作品の見どころ。

 

タイトルに入っている「釣り」に関してはがっつりとした印象はなく、適度な感じで掘り下げられている程度。逆に言えば釣りに興味がなくても観やすいかと思います。それでも釣りの魅力は充分伝わってきます。

ただ普通に高校生の成長物語や釣りの話、というアニメではなく、宇宙人だとかごちゃごちゃと出てくるSF設定は突っ込みどころ満載。最終的には釣りで地を救おう!(だから「つり」「球」なのか)となっていくわけですが終盤の展開はちょっと強引で長い感じ。しかし、最終話の釣りは地球をかけた命がけの釣りで、作画に演出といいなかなかの釣りシーンで迫力がありました。

全話見て振り返ってみれば地球を救う話も、いつの間にかごく自然にスケールアップできており、ストーリーも綺麗にまとまっていた印象。

 

設定やストーリーの他に、何よりも特徴的なのはカラフルな画面。背景処理も独特で最初は目がチカチカしました() 好き嫌いは分かれますが、私は2話も観れば慣れました。ただ作画がいいかといわれると荒い面も多く、描写が適当にみえるシーンも目立ったが、カラフルな色彩でうまくごまかしているのでそれも特徴というところか。

 

EDは大幅減点。スピッツ原曲の「空も飛べるはず」が使われているのですが原曲の印象が強く、正直カラオケレベルで今一つ。同じノイタミナ枠の1年前の作品、『あの花』のED10年という時間の経過という意味で曲のチョイスも良かったし歌もうまかったから高評価にしたが、こちらは私には意図がみえずあの花に倣っただけに感じた。

 

 

釣りというエッセンスの中に徐々に強くなっていくSF展開、それでも存在感のある青春と成長模様。様々な要素を強すぎるくらいのレベルで混ぜ合わせているのに崩壊することなくまとめあげ、とてもアニメらしくあるのに、他のアニメとは異色の作品です。

うまく尺をまとめれば映画にできそうな話でした。映画と言って思いましたが、少し『サマーウォーズ』に近いのかもしれません。人を選ぶ要素も多いのですが一本きちんと観れる作品です。

 

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『織田信奈の野望』【C-62】

織田信奈の野望 (1) (初回限定特典:ドラマCD付き) [Blu-ray]

織田信奈の野望』(おだのぶなのやぼう)

おススメ 【C-

話数:全12

今までに見た回数:1

制作年: 20127 - 20129

ジャンル:歴史・ハーレム・アクション

 

1. 設定(世界観)

7

2. ストーリー展開

6

3. 登場人物設定

5

4. キャラデザイン

7

5. 作画(背景/美術)

10

6. 演出(アクション)

7

7. 声優

5

8. 音楽(OP/ED)

5

9. 音楽(BGM/劇伴)

7

10. その他 信奈!?

3

合計

62

 

ストーリー

現代の日本に暮らす男子高校生・相良良晴はある日突然、戦国時代の濃尾平野に飛ばされてしまう。その世界では今川義元や松平元康、柴田勝家といった戦国武将たちがかわいい女の子の姿で存在しており、その上、尾張国の主である織田信長は織田信奈という名前だった。

良晴は、この世界で不慮の死を遂げてしまった木下藤吉郎の代わりに信奈の家臣となり、彼女の野望である天下統一の手助けをすることとなる。

Wikiより

 

また出たな戦国武将の女体化!


 話は現代からお調子者の戦国ゲーム大好き主人公が戦国時代にタイムスリップし、「羽柴秀吉」となり、「織田信長」もとい「織田信奈」に仕える話。世界観と設定としては現実の日本の戦国時代をベースに、地理や大名の地政学的支配地域などは史実に基づき作られているが、「武家の第一子は性別に関わらず家督を継ぐ」という設定で、「姫大名」や「姫武将」と呼ばれる者が存在。これにより多くの女性武将を登場させる根拠にしている(笑)

他にも似たような戦国武将の女体化シリーズはあるのだが、只の萌えアニメにならないように本作は史実に基づいているリアルなところがある。

 が、歴史上では戦死するはずの人物が死ななかったりと史実とずれていく面も。それも死ななかった理由が主人公の「こんな美少女殺すなんてもったいない!」といった理由だったり、ちょっとぶっ飛んでいる(笑)

そういうアニメだと思って観ていると笑えるところも多く面白い。また助けた美少女武将をハーレム状態に。とは言ってもそこまでハーレムしている印象は無く、エロ要素も少なめな印象。

この辺は歴史のなぞり方、ハーレム&エロ度合、ともに中途半端ともいえます。


 気になるところと言えば主人公の設定と性格。これが合わなければ観るのは辛い。

熱血系キャラで鈍感なところは作品のテンポをあげてくれるのでいいのですが不自然が多い。特に疑問だったのが毎回綺麗ごとを並べて相手武将の命を助けるのに対し、無名のキャラがどんどん死んでいくことは気にしていないこと。(これは半兵衛ちゃんもかな)

また下克上とはいえ戦国時代の縦社会に飛び込んだのに主人公が無礼すぎて観るにたえない。それも魅力といえばそうなのだろうがあえて信奈との間に序盤だけでも上下関係の距離感が欲しかった。そして「ゲームでは・・・ゲームだと・・・」とうるさい(笑)

 そして肝心のヒロインの「信奈」。

「織田信長」の真の天才で人の上に立つ資質、その存在感が、今作の信奈は普通のツンデレ少女で迫力のあるシーンが観られなかった。他の少女キャラの方が特徴的で存在感が強くヒロインであるはずの信奈がモブ状態…。衣装デザインがちょっとらしさが出ているくらい。


 またこれも気になったのだが女体化で名前が変わっているのは信長だけ。ただタイトルで信長の野望をパクって信奈の野望を言いたかっただけ?と感じてしまう。せっかくなら統一感を出すためにも女体化した武将全員名前くらい変えてほしい。



 あれこれと言いましたが、この作品は萌え戦国ものとしては新しかったという点は高評価。

戦国ファンタジーとして振り切っていないとも言えますが、ちょびっとの戦国リアリティが他の戦国武将の女体化ものより私は楽しめました。

 

『超訳百人一首 うた恋い。』【C+68】

超訳百人一首 うた恋い。 二(通常版) [DVD]

超訳百人一首 うた恋い。』(ちょうやくひゃくにんいっしゅ うたこい)

おススメ 【C+

話数:全13

今までに見た回数:1

制作年:20127 - 9

ジャンル:歴史・恋愛

 

1. 設定(世界観)

7

2. ストーリー展開

8

3. 登場人物設定

7

4. キャラデザイン

7

5. 作画(背景/美術)

5

6. 演出(アクション)

6

7. 声優

9

8. 音楽(OP/ED)

4

9. 音楽(BGM/劇伴)

7

10. その他 超訳

8

合計

68

 

概要

原作は漫画作品で百人一首の主に恋愛歌を題材にしたコメディ・タッチのストーリー短編漫画集。平安時代の歌の世界を、流行語や外来語を交えた可笑しみのある現代訳で、詠み人を主人公に想いや交流を描く。

口コミで広がり現在シリーズ累計21万部のヒットとなりアニメ化された。

Wiki参照

 

ストーリーは百人一首超訳し、その歌の意味や読んだ人物の心情を描く。

百人一首の紹介をするというよりは、こういう風だったら面白いという妄想を含めて作られている。

古典の知識のある人には、感想が分かれそうな「超訳」ではあるが、こういう解釈も面白いと思って観ることができる人は楽しめる。

基本的な展開では1話完結型。内容は悲哀系が中心で恋愛の話。正直、回によって良し悪しは出たが序盤の歌のチョイスが良い。テンポもよく、百人一首平安時代に詳しくなくても入り込める。真面目すぎると堅苦しくなりがちな百人一首の内容に、おちゃめな要素を入れることで百人一首の解説だけでは終わらせず、登場人物(歴史上の人物)に興味・愛着をもたせてくれる。平安時代らしい恋愛の物語を描写できておりよくできたストーリー構成。私は在原業平、藤原高子の話でいきなり惹きこまれました。引き裂かれた恋の馴れ初めを歌に潜ませる業平の

ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは

は、かるたアニメ『ちはやふる』で最近盛り上がったことも要因にあり、いいタイミングでこのアニメ放送したなと思います。(流行便乗を狙った感も否めませんが)

そして何よりもこの作品の魅力は百人一首の歌が締めること。趣が格段にあがっています。

 

ただ、「超訳ですので妄想も含みますよ~」という軽い空気は先述の通り魅力的ではあるがやりすぎな面もあります。とくにやりすぎに感じるのは進行役としてでてくる「定家」。毎話オープニングでいろいろな登場の仕方をするのだがちょっと私には遊びすぎてうざったく感じた。最終話で評価を持ち直したキャラではあるが彼の設定や扱い方は終始気になった。

 

そしてED曲。まったくもって雰囲気にあっていない。1話ずつ話が終わるたび何らかの余韻をくれるいい話なのに、EDが始まったとたんに明らかに気持ちが冷めるのを感じるくらい。なぜこんなに英語ばかりの歌詞の特徴が出すぎている歌をチョイスしたのか理解に苦しむ。OPはまぁまぁよかっただけに評価をひっぱり残念。はっきり言ってこれならED無しの方が良い。

 

他に特筆しておくべきはキャラデザイン。輪郭を太い線で縁取りしており目につくのだが、人物同士の距離感もこの縁取りが意味深にみせることもあり面白い。平安時代の世界観に合わない気もしたがこれが実はいい味を出していた。さらに言えば色とりどりな髪の色や瞳の色もらしくないが、結果的には分かり易くなったのでこれもいい。気になる人には気になりそうだが観やすさには役に立っている。ただ、お世辞にも作画がいいかと言われるとちょっと物足りない。衣服の綺麗な模様などは動きが無く、とにかく無駄に目についた。また動きも全体的に少なめ。

 

あれこれと言いましたが総評としては観やすく、試みも面白く良いアニメだった。

一見女性向けの作品にみえるが男性でも楽しめるはず。ところどころ採点での評価を下げてしまいましたがおすすめできるアニメです。

 

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『ドルアーガの塔 〜the Sword of URUK〜』【C-64】

ドルアーガの塔~the Sword of URUK~ 第1の宮(通常版) [DVD]

ドルアーガの塔the Sword of URUK〜』( - ザ ソード オブ ウルク

2期 『ドルアーガの塔』(ドルアーガのとう)

おススメ 【C-

話数:全12

今までに見た回数:2

制作年:20091-3

ジャンル:ファンタジー・アクション

 

1. 設定(世界観)

6

2. ストーリー展開

4

3. 登場人物設定

6

4. キャラデザイン

6

5. 作画(背景/美術)

6

6. 演出(アクション)

5

7. 声優

7

8. 音楽(OP/ED)

8

9. 音楽(BGM/劇伴)

8

10. その他 ひぎぃぃぃぃぃっ!

8

合計

64

 

【ネタバレ注意】

1期未視聴の方はご注意ください。

1期のレビューはこちら

 

 

 

ストーリー

ジル達の活躍によってドルアーガが倒され、塔からも魔物の姿は消えウルク国に一時の平和が戻った。しかし、ジルはカーヤの裏切りによる傷心のため部屋に引きこもり、ファティナもそんなジルの世話をしながら魔物のいなくなった塔で観光客相手のガイドをして生活費を稼ぐ、どこか満たされない毎日を過ごしていた。そんなある日、気分転換に訪れた先でジルはカイと名乗る少女に磔にされたカーヤの幻像を見せられる。その幻はいずれ現実に起きることだと語るカイに導かれ、カーヤの死を阻止しその真意を確かめるため、ジルは再び仲間と共に塔を登る事を決意する。今、二度目の大冒険が始まる…。

Wikiより

 

 すでにストーリーの解説時点で1期のネタバレになっているのですが、そこは1期未視聴の方ごめんなさい。ということでレビューもネタバレ満載になります。伏せるとレビューできないので未視聴の方でネタバレごめん!な方は読まない方がいいです。2期の内容もネタバレ多めになりますのでご了承ください。 

 

どうしてこうなった!?

1期から半年以上待った2期の開始。当時やっと来たか!の想いで観たのを覚えている。

1期では冒険!ボスを倒す!という展開の中、最後の最後に仲間が裏切るというとこで幕を閉じる。そんな後味の悪さを残したまま始まった2期は1期で語られなかった謎や裏切ったキャラの真意を描く。

はじまって早々驚くのはヒロインの交代劇。1期に主人公と共に旅(登頂)をしたヒロイン「カーヤ」は、最後に裏切り、他のパーティのリーダーである主人公の兄「ニーバ」と共に次のステージへと主人公を置き去りに去ってしまうのだが、そのニーバと旅(登頂)した仲間で兄の彼女?の「ファティナ」が傷心でひきこもる主人公を支え続けているところから始まる。

DVDのパッケージでも1期の1巻と2期の1巻で見事にペアが変わっているのでまさに交代劇と言ってもいいはず。私は1期の頃からファティナの方が好みだったのでこの流れには賛成なのだが最終的には好みのオチどころでなかった。主人公がものすごく1期ヒロインに未練たらたら。あまり主人公が成長した気がしないところも残念。

また最後はこんなの私の観たかった続き(ファティナ)じゃない!と凹みました。非常に勝手な私の好みの意見ですが()

さらにカーヤのキャラデザが変化しており非常に微妙。一気に老けてみえ、1期とは大違い。もうヒロインに返り咲くことはなさそうな勢いに見えてしまった序盤。

 

また主人公の戦い方が盾で戦うスタイルが特徴的であった1期に対し、2期では剣を中心に戦う。たしかにカーヤの加護魔法みたいなものは無くなったのかもしれないが設定はどこへ行ったのやら。

話の流れとしては「カイ」という少女をきっかけに登頂を再開することになるのだが、仲間に兄のニーバの元メンバー「ファティナ」と「ウトゥ」と説明不足なままの新キャラ1人を連れ旅立つ。 元仲間には裏切られたりしつつも結局いろいろあって後半は共闘。部分部分面白い所もあったのだが、2期からの新キャラが多く、広げすぎて肝心の観たかった人間関係の部分が浅くなってしまっている。

さらに話は大きく広がっていくのだが、最終的には「VS兄」という結末になりスケールが実際のところ縮まっている印象。1期の始まり方のノリらしく、この作品らしいもう少し気持ちの良い結末もあったのでは?と思ってしまった。とは言ったものの一つの作品としてはきっちりまとめているので、1期に比べギャグ要素はほとんどないものの、ストーリーを重視した結果は出せています。

その1期に比べ減ってしまったギャグパートの質は1期の勢いには遠く、少しノリが違うものに。悪ノリは一部健在でしたがちょっと元ネタが分かりにくすぎる()

ちなみにあれだけファンタジー的な要素にこだわり、モンスターを食す話などがあったのに、現実的なイクラ丼が作中で出てきた理由はこれ<ニコニコ動画:【初音ミク】ドルアーガの塔より「おなかすいたうた」>が元ネタになります。

他にもWikiを見て気づかされたのですが、何気に1期から2期のほぼ全話にわたって毎回何らかの形で入浴シーンが出ています。※注:入浴シーンにカウントできないキャラもいます()

振り返ってみれば遊び心は2期にも感じることはできました。

 

 作画が一部急に残念になったところや、バトルシーンのクオリティも落ちたところもありますが、結果的には楽しめました。ストーリーに対し酷評気味になったのは期待して待った分だけ凹んだ。という気持ちがあるからかもしれません。

今なら間を空けずに1期と2期を通して観ることができるので、昔私が感じたほどのショックは無いと思います。 名作になり損ねた感はありますが話全体としてはまとめられていますし、冒険ものとしてのおススメできます。

 

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『TEXHNOLYZE』【C-63】

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TEXHNOLYZE』(テクノライズ

おススメ 【C-

話数:全22

今までに見た回数:2

制作年:20034-9

ジャンル:SF・アクション

 

1. 設定(世界観)

9

2. ストーリー展開

2

3. 登場人物設定

5

4. キャラデザイン

6

5. 作画(背景/美術)

6

6. 演出(アクション)

5

7. 声優

5

8. 音楽(OP/ED)

10

9. 音楽(BGM/劇伴)

5

10. その他 最高の絶望感

10

合計

63

 

ストーリー

舞台は、絶望と暴力に支配され荒廃した都市・流9洲(ルクス)。老朽化したこの街は現在、外界からのネットワークから外されて孤立しており、街から他の都市へ行くことは困難だが、逆に行き場を失くした者達が流れ着く、吹き溜まりの場所と化していた。 生きるために賭けボクシングで生計を立てる少年・櫟士、近い未来を見ることの出来る少女・蘭、街の声を聞くことの出来るオルガノの長・大西京呉、そして未来の義肢である「テクノライズ」の技術に魅せられクラースから降りてきた科学者・ドク。 ある日、この地に一人の男が外界から降りてきた。男の名は、吉井一穂。ある野望を遂行すべく降り立ったこの男の来訪により、流9洲に様々な事件が発生し、やがて街全体を巻き込む事態へと発展していく。

Wikiより

 

 まず始めに言及しておくと、とてつもなく「絶望感の強いアニメ」です。

作中には血が飛び散るシーン多数、性描写もところどころ出てきます。

エンターテインメント?なにそれ?と言わんばかりの挑戦的なアニメで、点数評価がとんでもなく偏る内容でしたが私は好きです。が人にはおススメできません。

 

まず始まって早々のOPが、テンポのいいロック&テクノなグルーヴで、マトリックスのサントラも作成したJuno Reactorの曲が流れます。初めて聞いたときは鳥肌が立つくらいビビっときました()  映像も曲とマッチしていてスタイリッシュ。ハッキリ言ってこのOPじゃなければ私は最後まで観ていなかったと思います。

というのもスピード感のあるOPとは対照的に序盤のストーリー展開はスロー。1話に至っては主人公のセリフが無いという前代未聞の始まり方。ハァハァと吐息ばかり聞かされます。さらにいきなり片腕、片足を無くし、救われること無く1話目は終わるのでほとんどの人がここで観るのをやめてしまいそう()

さらに主人公に限らず、ヒロインらしき女の子も無口。それでいて心の声の描写は特に表現されないので登場人物全員何を考えているのか分からない。空気感や雰囲気の方を重視しているようで、しんとした時間が流れ続けます。おかげで感情移入もなにもありません。

中盤からやっと話が展開しだすと同時に血の嵐になり、テンポが急にあがる終盤に至っては血の海。残酷で救いの無い結末に耐えられる人しか最後まで観ることはないでしょう。

しかしそのごく一部の最後まで見続けた人の、またさらに一部だけが得られる「なにか」があり、それを感じることができると評価が大きく変わってくる作品です。

 

これだけだとさすがに説明不足なので内容のことに触れると、まずタイトルにもなっている「テクノライズ」とは今から未来の機械式の義肢で、人体との融合を目的とした科学技術。人体を補完するための物で、主人公は無くした手足を「ドク(女性)」と言う人物からテクノライズで得ることになる。そして舞台となるのは奈落の底「流9洲(ルクス)」という暴力と絶望に支配された街。実は地下街で、通風口より光を当て人為的に「昼」を作っており、地上への交通手段は、鉄道か通風口非常口の2つしかない。そのルクスに存在する、不良グループ・ヤクザ組織・原理主義者集団の3つの組織をを地上の世界からやってきた「吉井」と言う人物が抗争の火種を起こし掻き回す。

22話のうち序盤・中盤の15話あたりまではこのルクス内での反社会的集団の権力闘争の話が中心で、理解するまでに相当の時間を要する。

私はここまでOPと「ドク」というキャラが気に入ったのでなんとなく見ていたのだが、はっきり言ってつまらない。

しかし、終盤に物語の真相が明かされていく瞬間、これまでのつまらない話をしっかり観ておかないと、このアニメの真骨頂である最高の絶望感は味わうことができない。前半のつまらない展開がどうでもよくなるような、印象的で幻想的なみんなが夢見た地上の世界の事実と、テクノライズから見た肉体と精神の関係。生きる力とは肉体を使った行動(暴力や性)なのか?病気や障害などと無縁なモノに宿る精神とは?

 

 

 

登場人物には感情移入もできず話も分からないまま進むため、つまらなく感じる序盤。血の描写が本格的に始まる中盤。そして一気に盛り上がるのにどんどん破滅していく終盤。視聴者を突き放しているとしか思えない自己満足アニメだが、最後までついて来られたものにだけ忘れられない「なにか」をくれるのは間違いない。

もし興味が出てこれから観る人がいたなら、その「なにか」が「時間かえせ!」で無いことを祈ります()

 

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『ココロコネクト』【C+66】

ココロコネクト ヒトランダム 上 (初回限定版) [Blu-ray]

ココロコネクト』(kokoro connect

おススメ 【C+

話数:全13

今までに見た回数:1

制作年:20127-10

ジャンル:SF・青春・学園

 

1. 設定(世界観)

4

2. ストーリー展開

6

3. 登場人物設定

5

4. キャラデザイン

7

5. 作画(背景/美術)

8

6. 演出(アクション)

7

7. 声優

8

8. 音楽(OP/ED)

8

9. 音楽(BGM/劇伴)

6

10. その他 そこそこ面白くなれば…

7

合計

66

 

ストーリー

立山星高校に通う桐山唯と青木義文は、ある日の夜中に一時的に、互いの魂が入れ替わる現象を体験する。夢か現実か気になった2人は、文化研究部の仲間である八重樫太一、永瀬伊織、稲葉姫子に相談するが、冗談話と思われ、ちゃかされてしまう。数時間後に太一と伊織の体が再び入れ替わり、話が本当だと信じた2人は文化研究部へ戻り、副部長の稲葉に体が入れ替わったことを説明する。話が信じられない稲葉は、真実を確かめるため伊織(太一)と太一(伊織)の2人に、本人しか知らない質問をして表情で判断し、ようやく話を信じる。かくして、人格入れ替わりながらも日常生活を送るが、この現象は<ふうせんかずら>という謎の存在による実験であった。<ふうせんかずら>が面白いものを見るために、文化研究部の面々に次々と超常現象を起こして感覚や人間関係を混乱させる中、八重樫太一をはじめ永瀬伊織、稲葉姫子、桐山唯、青木義文の友情も成長したり傷を負ったりしていく。

Wikiより

 

 正直期待をしないで見始めたのですが、止まることなく一気に13話視聴できました。

ストーリーは3部構成。「ヒトランダム(15)」「キズランダム(610)」「カコランダム(11話~13)」と続きます。

 視聴し始めて、主用メンバーとなる文化研究部の5人の新規で部活を発足させた理由がいまいちピンと来ず入り込めなかったが、「ヒトランダム」の内容がみえると期待が膨らみました。

 「ヒトランダム」では文化研究部の5人の人格が入れ替わるということが起き、それを題材に人格交換が起こったらというネタをなぞりながら、5人の男女のやりとりを描く。

また人格交換を利用し、主人公「太一」が他のメンバーのココロの傷を解放していく。また青春模様も人格交換を絡めた内容で展開するので面白い。

コメディ要素も豊富で笑えるシーンも多いのだが、同時に登場人物の心理描写も丁寧で、うまくシリアスな要素も絡むので飽きない。序盤から続きが気になる展開だった。

続く「キズランダム」編ではさらにそこから5人の関係に踏み込める設定となっており、視聴中に「このまま平和に青春展開で終わったら詰まらないな」と思っていたら見事にかき回してくれるのでまた期待が膨らんだ。

しかしながら続く「カコランダム」編に関しては、これまでが面白かったせいかちょっと残念。いまいち「ヒトランダム」や「キズランダム」のように感じるものが無かった。もし10話で終わっていたらもっと高評価にしていた。終わり方も10話で終わった方が個人的にはスッキリするからだ。

<ネタバレ反転>

というのも「カコランダム」編は3話に詰め込みすぎたこともあるかもしれないが、結末が「もとから何も問題がなかった」という内容だったことが私にはしっくりこなかったのかもしれない。「カコランダム」で解決した「伊織」というキャラの悩みは実はたいしたことではなかったということが今までの話(ヒトランダムの時の悩みも含む)を台無しにした感じがあり拍子抜け。

また最終回の最後に「ミチランダム」というサブタイトルを見せ、次回予告をほのめかすのだが、一見最終回とは思えない終わり方。評価には影響させていないが、その続きの14話~17話は2期での放映ではなくネット配信?とのことなのでちょっと萎えさせられた。

 

他、気になったのは登場人物の葛藤がくどいところがあり、無理やり悩ませている印象があったことで感情移入しきれなかった。また、超常現象の原因「ふうせんかずら」が不快な印象の方が強かったのでアニメ全体の印象が悪くなっている気がする。それと「ふうせんかずら」の存在理由にヒントが少なく、想像の可能性も提示できていないのでそこは消化不良気味であわせて残念。

強引に解釈しても「ふうせんかずら」という名前から、実在する植物のふうせんかずらの特徴、「ハート柄の種」と「3つで1つ」となにか関係あるのだろうか?ということ。だからふうせんかずらは3人いる?と勝手な予測と、ふうせんかずら(1番目)は「伊織」へ「太一」が告白したとき、と「稲葉」が「太一」を好きだと「伊織」に認めたとき、に現象を終了させており、彼にとってのそこそこ面白くなれば終わる とはそういう「ハート(ココロ)3つ」に関わることなのかな、とまでは勝手に脳内保管してみました。

ま、だからといって結局なにものかは作品中では多分わかりませんが()

 

登場人物ですが、主要キャラ文化研究部の5人は好き嫌いが出そうな個性。このレビューでは未視聴の方に大きく影響を与えかねないのであえて深く触れないようにしますが、一言だけ言っておきたいのがあちこちの感想でみかける、主要メンバーの「稲葉」が嫌いという意見。私はこのキャラのおかげでココロコネクトが面白くなったと思うので大好きです。

 

 作画は若干不安定なところがありますが神経質に観ていなければ問題ないレベル。

OPED13話の中で数回入れ替わる豪華な内容でクオリティも悪くなく好印象。

 

後半3話に関してあれこれと言いましたが、人間ドラマとしてはよくできていたと思います。物足りなさはありますが続きがあるようなのでそちらに期待したい。

ありきたりなネタながらも新鮮さを感じることのできる内容で、最近ではちょっとめずらしいアニメでした。

 

 ちなみに裏側の方で制作に関わる一部の人間が不快な騒動を起こして反感を買い大炎上しましたが、評価には一切影響させていないことは明記しておきます。

 

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