『超訳百人一首 うた恋い。』【C+68】
『超訳百人一首 うた恋い。』(ちょうやくひゃくにんいっしゅ うたこい)
おススメ 【C+】
話数:全13話
今までに見た回数:1回
制作年:2012年7月 - 9月
ジャンル:歴史・恋愛
1. 設定(世界観) |
7 |
2. ストーリー展開 |
8 |
3. 登場人物設定 |
7 |
4. キャラデザイン |
7 |
5. 作画(背景/美術) |
5 |
6. 演出(アクション) |
6 |
7. 声優 |
9 |
8. 音楽(OP/ED) |
4 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
7 |
10. その他 超訳 |
8 |
合計 |
68 |
概要
原作は漫画作品で百人一首の主に恋愛歌を題材にしたコメディ・タッチのストーリー短編漫画集。平安時代の歌の世界を、流行語や外来語を交えた可笑しみのある現代訳で、詠み人を主人公に想いや交流を描く。
口コミで広がり現在シリーズ累計21万部のヒットとなりアニメ化された。
Wiki参照
ストーリーは百人一首を「超訳」し、その歌の意味や読んだ人物の心情を描く。
百人一首の紹介をするというよりは、こういう風だったら面白いという妄想を含めて作られている。
古典の知識のある人には、感想が分かれそうな「超訳」ではあるが、こういう解釈も面白いと思って観ることができる人は楽しめる。
基本的な展開では1話完結型。内容は悲哀系が中心で恋愛の話。正直、回によって良し悪しは出たが序盤の歌のチョイスが良い。テンポもよく、百人一首や平安時代に詳しくなくても入り込める。真面目すぎると堅苦しくなりがちな百人一首の内容に、おちゃめな要素を入れることで百人一首の解説だけでは終わらせず、登場人物(歴史上の人物)に興味・愛着をもたせてくれる。平安時代らしい恋愛の物語を描写できておりよくできたストーリー構成。私は在原業平、藤原高子の話でいきなり惹きこまれました。引き裂かれた恋の馴れ初めを歌に潜ませる業平の
「ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは」
は、かるたアニメ『ちはやふる』で最近盛り上がったことも要因にあり、いいタイミングでこのアニメ放送したなと思います。(流行便乗を狙った感も否めませんが)
そして何よりもこの作品の魅力は百人一首の歌が締めること。趣が格段にあがっています。
ただ、「超訳ですので妄想も含みますよ~」という軽い空気は先述の通り魅力的ではあるがやりすぎな面もあります。とくにやりすぎに感じるのは進行役としてでてくる「定家」。毎話オープニングでいろいろな登場の仕方をするのだがちょっと私には遊びすぎてうざったく感じた。最終話で評価を持ち直したキャラではあるが彼の設定や扱い方は終始気になった。
そしてED曲。まったくもって雰囲気にあっていない。1話ずつ話が終わるたび何らかの余韻をくれるいい話なのに、EDが始まったとたんに明らかに気持ちが冷めるのを感じるくらい。なぜこんなに英語ばかりの歌詞の特徴が出すぎている歌をチョイスしたのか理解に苦しむ。OPはまぁまぁよかっただけに評価をひっぱり残念。はっきり言ってこれならED無しの方が良い。
他に特筆しておくべきはキャラデザイン。輪郭を太い線で縁取りしており目につくのだが、人物同士の距離感もこの縁取りが意味深にみせることもあり面白い。平安時代の世界観に合わない気もしたがこれが実はいい味を出していた。さらに言えば色とりどりな髪の色や瞳の色もらしくないが、結果的には分かり易くなったのでこれもいい。気になる人には気になりそうだが観やすさには役に立っている。ただ、お世辞にも作画がいいかと言われるとちょっと物足りない。衣服の綺麗な模様などは動きが無く、とにかく無駄に目についた。また動きも全体的に少なめ。
あれこれと言いましたが総評としては観やすく、試みも面白く良いアニメだった。
一見女性向けの作品にみえるが男性でも楽しめるはず。ところどころ採点での評価を下げてしまいましたがおすすめできるアニメです。