『TARI TARI』【C+65】
『TARI TARI』(タリ タリ)
おススメ 【C+65】
話数:全13話
今までに見た回数:1回
制作年:2012年7月- 9月
ジャンル:青春・音楽・学園
1. 設定(世界観) |
5 |
2. ストーリー展開 |
6 |
3. 登場人物設定 |
6 |
4. キャラデザイン |
7 |
5. 作画(背景/美術) |
9 |
6. 演出(アクション) |
5 |
7. 声優 |
8 |
8. 音楽(OP/ED) |
7 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
8 |
10. その他 泣いたり笑ったり |
4 |
合計 |
65 |
ストーリー
白浜坂高校の声楽部に所属する宮本来夏は、ピアノ担当の上野みどりの譜面捲りを担当していた。前々から歌を歌いたいと希望していた来夏の思いを察したみどりは、顧問である教頭先生に一度言ってみたらと来夏に問いかける。しかし、来夏は教頭先生から去年の発表会での失敗を指摘されたうえに「音楽の才能は無いから諦めなさい」と断られたことに憤り、声楽部を退部して新たに合唱部を作ることを決意する。
Wikiより
合唱部という設定がなかなか新鮮ではあったが、どちらかというと合唱がメインの話ではなく、基本は青春ストーリー。
2年生のときに合唱の発表会で失敗をした主人公「来夏」は顧問の教頭先生に歌わせてもらえない声楽部をやめて、新たに合唱部を作るというところから始まる。
ストーリー展開としては序盤、落ち着きが無い。淡々とした1話で盛り上がることなくキャラクターばかりがどんどん紹介されていく感じ。しかし2話では急に話が進みだし1話の感覚でみていると置いていかれてしまいそうになる。バタバタした印象を受けるものの序盤の合唱シーンのデュオは素直に綺麗な歌声で一気に気持ちをアニメに惹きこんでくれた。
3話からの話の流れは日常的なスロー展開へ戻り、改めて合唱部主要メンバーの獲得、そしてそのメンバーの青春ならではの悩みにぶつかっていくのだが、なかなか合唱のシーンが出てこないのが残念。人物描写はうまくできており高校生らしい感情表現や、ストーリーは爽やかに描けており、観やすい作品で同社前作の『花咲くいろは』に比べれば違和感は少なかったのだが気になった点は少しある。
結局のところ合唱という視点でみると、ストーリーは物足りない。青春系の話を集めた展開が3話以降続き、5人のうち3人は合唱部の活動をやっている意味があまり感じられないし、主人公本来夏のためにという理由も、主人公自体がどうも芯が無いようにみえるせいか特に感じない。
音楽にこだわる理由があったのは本当に1人だけ。そしてその完成した曲も最後の「廃校」というバタバタ展開で印象が薄くなってしまっている。無理にドラマ展開を入れて盛り上げなくても、曲が完成するまでの過程をみんなの青春ストーリーと絡めるとか、外国へ旅立つ仲間を見送るために文化祭で母と作った曲を歌うというだけのほうが、もっと曲にスポットがあったような気がしたし、合唱部らしい最後の締めくくりになったと思うのですが…。
さらに言えば最後にもってくる合唱はピアノのみで締めてほしかった…。
廃校展開は同制作会社前作の最後には旅館を閉める話にも言えるがちょっと単純。ここまでドラマチック展開でいくなら、これまでの合唱部の活動が評価され入学希望者が殺到し廃校免れるくらいの超ドラマ展開とかやってしまってもいいのでは?とも思う。
と個人的な勝手な感想です(笑)
ただ評価を下げた後半ではあったが、一度バトミントンでスポットを当て終わったかのように見えた「田中」が最後のほうでみせた「恋愛」要素の動きはかなり良かった。主人公そっちのけで男性票をぶっちぎり獲得しそうな「紗羽」にひょんなことから恋に落ちる瞬間はものすごく感情移入できたし、むずかゆい懐かしい記憶に触れられた(笑)
そして最終話の彼の言葉は視聴者の想像にゆだねられ、結末も想像にゆだねられるところも非常に良かった。
特に難しい話があるわけでもなく単純明快。青春模様も爽やかで観やすく、声優さんの「合唱シーン」は魅力的だった。ちょっと単純すぎるキャラ設定だったり、リアルな話なのに妙にアニメ的なところがあったり、ストーリーの練りこみが足りないのは少し残念だが、ライトな作品になっているのですっきりと面白い。私はまた観ようというところまではいきませんでしたが、一度観てみる分には良い作品です。