『アクセル・ワールド』【B-70】
『アクセル・ワールド』(Accel World)
おススメ 【B-70】
話数:全24話
今までに見た回数:1回
制作年:2012年4月-9月
ジャンル:SF・アクション・学園
1. 設定(世界観) |
8 |
2. ストーリー展開 |
5 |
3. 登場人物設定 |
6 |
4. キャラデザイン |
6 |
5. 作画(背景/美術) |
9 |
6. 演出(アクション) |
7 |
7. 声優 |
6 |
8. 音楽(OP/ED) |
9 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
7 |
10. その他 厨二ちっぱい&千百合! |
7 |
合計 |
70 |
ストーリー
2046年、ニューロリンカーという携帯端末を用いることで生活の半ばが仮想ネットワーク上で行われるようになっても、未だ人が現実社会の軛から逃れられずにいる世界。
東京都杉並区にある私立梅郷中学校に通う少年ハルユキは、小柄かつ肥満体型と内向的な性格から、幼少期の頃よりイジメや誂いの対象となり、辛い日々を送っていた。イジメは中学に入学してからも収まらず、ハルユキはままならない現実を呪いながら学内ローカルネットの片隅に設置されているスカッシュゲームのスコアを伸ばすだけの日々を送っていた。そんなある日、ハルユキは副生徒会長を務め周囲から羨望の眼差しを受ける美貌の上級生黒雪姫から謎めいた言葉を告げられる。
「もっと先へ――『加速』したくはないか、少年」
戸惑いながらも黒雪姫の誘いに応じたハルユキは、有線直結通信で謎のアプリケーションソフト「ブレイン・バースト」をインストールされる。それはニューロリンカーの量子接続に作用し、思考を一千倍に加速するという驚くべきアプリケーションだった。
Wikiより
SFでバーチャル世界のバトルがメインとなるアニメで、原作はライトノベル。少し遅れて始まった現在も放映中の『ソードアート・オンライン』と同じ作者で、近未来の脳とネットワークを繋いだ仮想ネットゲームを中心に話が展開する。私は両作品とも未読でのレビューとなります。
まずは主人公の「ハルユキ」がチビ&デブというキャラ設定。挙句ネガティブ(卑屈)な性格なのでこれがウケつけないと序盤から視聴がきついかもしれない。
今までもかっこ悪い主人公というのは存在したが、どこかいい味があったのに対し今作の主人公は序盤にその片鱗が見えてこない。仮想世界(ゲーム)で唯一の「飛行アビリティ」を獲得し、活躍することで徐々に変化がみられるのですが時間がかかります。
容姿において 現実とゲームは別 と言う意味ではここまでハッキリしている方が分かり易いので私はいい設定だと思うのですが・・・。
ストーリー展開の方は、序盤は説明が必要な部分が多くなかなか話が進まない。展開だけを簡単に要約すればネガティブなチビデブ少年が、学園のマドンナでもある先輩「黒雪姫」に仮装世界(ゲーム)の腕を見込まれてスカウトされるところから始まる。いざその仮想世界では大活躍をみせ、「黒雪姫」から恋愛感情(?)を持たれるほどに。
これにより幼馴染の2人「千百合(チユリ)」と「拓武(タクム)」と主人公の関係に変化が生じる側面も。この辺の関係性は全体を通して楽しむことができた。
そして彼ら彼女らの関係の演出の一つに、近未来のコミュニケーションの手段の一つとしてでてくる「直結する(互いのニューロリンカーをケーブルで直接繋ぐ)」という行為が手を繋ぐ以上キス未満に近い行動として表現されており、それを世界観らしく織り交ぜたところはなかなか面白い。
序盤は話が進まないとしたが中盤はテンポよく話が進み好印象。ただ後半で出てくる悪役がかなり癖のある(ウザい)やつでキャラ造りとしてはうまいのではあるがストレスが溜まった。
またこの悪役の登場でやっと変化の見られてきた主人公の性格の退行もあり、ストレス倍増。挙句メインヒロインが修学旅行中という不在の状態で話が進み、解決まで相当な話数を要し、なかなか悪役を倒さないのでかなりの我慢が必要(笑) これに耐えられなければ楽しむことができないのは残念なところ。
他にも設定上、主要のキャラは全て若く、ほとんどのキャラが厨二なのでこれが受けつけない人にはさらに厳しい。
キャラデザインは悪くないが、仮想世界のアバターのデザインは私的にはイマイチ。あまり特色がみられず単調な印象。そのアバター達のバトルは雰囲気があったのだが、動きが単調なうえに戦闘中にセリフが多すぎるためか、あまり盛り上がれなかった。
あと大変申し訳ないがメインヒロインの声優さんは声量不足気味。声の質は良いのでたどたどしいところも含め日常の会話シーンでは結構可愛いのだが、バトルシーンなどでは迫力が無いのはちょっと残念。
その他、仮想世界を可視化した表現力は評価。ゲームらしい一面もしっかり演出できていた。設定の説明にもう少し絵等で動きを使り、分かり易くしてくれていればもっと満足できたのだが。
全体的にかなり観る人を選ぶ内容というか設定ですが、実は悪役も王道の悪役らしく、展開も王道の少年マンガのような、朝、夕方に放送できそうな内容にもみえます。
回収していない伏線も多く、原作にも続きがあるので2期も是非やってほしい。できれば制作陣が加速しすぎて視聴者を置いてけぼりにしないように丁寧に制作してほしいと願う。
『sola』(そら)【B-71】
『sola』(そら)
おススメ 【B-】
話数:全15話(放映全13話+未放映2話)
今までに見た回数:1回
制作年:2007年4月 - 6月
ジャンル:ファンタジー
1. 設定(世界観) |
7 |
2. ストーリー展開 |
7 |
3. 登場人物設定 |
7 |
4. キャラデザイン |
6 |
5. 作画(背景/美術) |
7 |
6. 演出(アクション) |
7 |
7. 声優 |
7 |
8. 音楽(OP/ED) |
8 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
7 |
10. その他 主人公の・・・ |
8 |
合計 |
71 |
ストーリー
加名見町に住む高校生、森宮依人は「空」が好きな少年だった。
空の写真を撮ることが趣味の彼は、今日もまたカメラを携え、"夜が青空に変わる一瞬”を撮ろうと水辺の森公園に赴く。夜明け前、公園の自販機の前で彼は、不思議な少女と出会う。その少女、四方茉莉は、「青空」に対しての憧れを滲ませながら、掴み所のない性格で依人を翻弄する。
その後、ふとした騒動に巻き込まれたことで、依人は茉莉と日々の生活を共にするようになると同時に、彼女が「夜禍」という夜にしか生きられない存在であることを知る。
「空」が好きな少年と「青空」に憧れつつも見ることの叶わない少女。同じ想いを共有する二人が出会い、惹かれ合うとき、依人と茉莉。その他運命に翻弄される少女達の物語は動き出したのだった。
Wikiより
青空の下で生きられない「夜禍(やか)」を中心とした話。
設定に無理は少し感じることはあったものの、キャラの作りはうまくできていたと感心。
終わってみればすごく好印象な感じがする作品でした。
ただ、1クールでは描き切れる内容ではなかったのかな?と思うくらい大雑把に話が進むため、始まりの3話までの感じで気楽に視聴していると中盤からの急展開には置いて行かれることになるので注意。終わってみると前半と後半の展開が違うアニメだったかのような気もするくらい質が変わっています。
日常系のアニメが好きな人は前半の方がおもしろく、後半はうけつけないかもしれません。
またストーリー重視派の方には序盤の引きの弱さや盛り上がりに欠ける展開で退屈に感じ、感情移入がしにくいまま最後まで突っ走ってしまうことになりそう。
この辺はバランスよくストーリーを展開させていれば両方の視聴者をもう少し納得させられた気がします。その場合やはり1クールでは足りないか・・・。
タイトルの通り「空」を重要なポイントに置き、最初から最後まで盛り込んで造られたストーリーに加え、描写も綺麗で青空のシーンは爽やかに仕上げてくれている。
OP曲や音楽もなかなかよかった。
が、キャラの作画が最後まで気になった。目が大きすぎるのは私はほとんど気にならずに観れたが、妙にしゃくれていたり、尖がったあご、顔の崩れが多いのは度々気になった。こういう話はそういうところで気を散らしてほしくなかったので勿体ない。
肝心な内容の方は面白かった部分を語ろうとすると、ネタバレが多くなるのであまり語れないのが残念ですが、切ない話に耐性がある人は最後の展開に納得できると思うので是非視聴してみてほしい。
『氷菓 HYOUKA』【B-73】
『氷菓 HYOUKA』(ひょうか)
おススメ 【B-】
話数:全22話
今までに見た回数:1回
制作年:2012年4月-9月
ジャンル:ミステリー・青春・学園
1. 設定(世界観) |
6 |
2. ストーリー展開 |
6 |
3. 登場人物設定 |
6 |
4. キャラデザイン |
8 |
5. 作画(背景/美術) |
10 |
6. 演出(アクション) |
8 |
7. 声優 |
8 |
8. 音楽(OP/ED) |
6 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
6 |
10. その他 わたし、気になります! |
9 |
合計 |
73 |
ストーリー
省エネを信条とする高校一年生、折木奉太郎はひょんなことから廃部寸前のクラブ「古典部」に入部することに。
「古典部」で出会った好奇心旺盛なヒロイン、千反田える。中学からの腐れ縁、伊原摩耶花と福部里志。
彼ら4人が神山高校を舞台に、数々の事件を推理していく青春学園ミステリ。
「わたし、気になります!」
奉太郎の安穏とした灰色の高校生活は、この一言で一変してしまった!!
京アニサイト(公式)より引用
レビュー
「わたし、気になります!」
ミステリーが強調されていた事前告知だったのだが、人が死ぬことのない平和なミステリー仕上げという印象。他には無い学園ミステリー作品となっており、日常のちょっとした出来事や事件を解決していく。
基本的には平和であるがゆえに、ストーリーは起伏が欠けるところもあり、人によっては中途半端に感じてしまうかもしれない。
ミステリーはあくまでも作品を構成する一つで、学園ドラマとして観始めた方がしっくりくる人の方が多そうです。
ウリになっていたミステリー(謎)の部分ですが私はそれなりに見ごたえを感じることができました。
タイトルにもなった「氷菓」の謎は早々に解決してしまい拍子抜けしましたが、長々とやる内容でもなかったのでこの辺でアニメの主旨を理解。自首制作映画編の「愚者のエンドロール」は視聴中ピンと来ないところもありましたが、謎が解決してみれば割と好印象。文化祭の十文字事件は導入がうまかったおかげか気分が一番盛り上がりました。ただ、結末が個人的には期待はずれで残念。評価を落としました。
この辺は好みが分かれるところなので観て判断してください(笑)
私は「氷菓」の魅力は主人公やヒロイン、友人たちのやり取りや仕草、心情の機微の変化等、人間ドラマの部分だと思っています。特に好奇心旺盛すぎるヒロイン「千反田える」が魅力的で、省エネ(無駄なことはしない)の主人公「折木奉太郎」が彼女の「わたし、気になります!」という疑問を解決していくスタンス・関係性もわかりやすい。
特に奉太郎が千反田に振り回され、ストーリー後半で考え方が変わっていく様がおもしろい。正確には二人の微妙な距離の変化がおもしろい。
中学からの腐れ縁の「福部里志」と「伊原摩耶花」も含め4人のメインキャラはどれも個性的。ただ個人的に里志は変な奴すぎてピンとこないところが多かったのと、その里志に恋する摩耶花に関しては性格が好きになれなかったのは楽しめきれなかったか。
そして作画が素晴らしいのはもちろんのこと、驚いたのは千反田の仕草。
あざとすぎないレベルで可愛い仕草をとるところは非常に上手い。萌えとかそういう感じよりも「キュン」となるリアルで感じる感情に近い可愛い要素があったかもしれない。
他にも演出面では千反田が奉太郎に頼みごとをするシーンで、様々な格好をした彼女が奉太郎を圧倒するイメージが実に良い。長く伸びた髪が絡まってくる演出や、まとわりつく大量の小さな天使は雰囲気があり、なかなか面白い。
淡々としたストーリーを飽きさせないようにじっくりと描いた京アニの作画と演出はさすがです。
最後は奉太郎と千反田のこれからを予感させる終わり方で、ぜひ2期を見てみたいと思いました。
これからどんな謎を彼らは解決し、二人の距離はどうなっていくのか。
『true tears』【B-73】
『true tears』(トゥルー ティアーズ)
おススメ 【B】
話数:全13話
今までに見た回数:1回
制作年: 2008年1月 - 2008年3月
ジャンル:恋愛・学園
1. 設定(世界観) |
6 |
2. ストーリー展開 |
8 |
3. 登場人物設定 |
6 |
4. キャラデザイン |
7 |
5. 作画(背景/美術) |
9 |
6. 演出(アクション) |
6 |
7. 声優 |
7 |
8. 音楽(OP/ED) |
6 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
8 |
10. その他 リアルビター・涙 |
10 |
合計 |
73 |
ストーリー
絵本作家を目指す高校生「仲上眞一郎」は、仲上家に引き取られてきた同じ高校に通う「湯浅比呂美」、そして両親の4人で暮らしている。眞一郎の母は、ある理由から比呂美につらく当たっていた。
ある日、眞一郎は学校の裏庭で、木に登って降りられなくなった少女「石動乃絵」と出会う。彼女は過去に起こったある出来事がきっかけで、涙が流せなくなったのだという。眞一郎は彼女との出会いをきっかけに比呂美、親友「野伏三代吉」、幼馴染み「安藤愛子」らとの関係や、自分自身との向き合い方に変化を生じさせていく。彼らはそれぞれに悩み、すべきことを模索し、成長していく。Wikiより
原作がギャルゲーですが、アニメ版はあくまでもオリジナルという位置づけとのことで制作した模様。
ストーリーはまずヒロインの1人「乃絵」が主人公に木の上から声をかけるところから始まるのだが少し普通じゃない感じ。というのも電波キャラ。だが電波とは言ったもののその他は非日常的なものは特に無くリアルな話。
私の場合は特に主人公の絵本作家を目指すというところが、自身の学生時代マンガや小説を書き続けていた部分と重なり非常にのめりこめる設定でした。
また主に三角関係を中心とした恋愛の話なのですが、終わり方に賛否両論あるにしろ私としては「一つの答え」を導き出したことは評価。またその展開も私には痛いくらい分かる経験が重なり本当にグサっと余韻が残った。
作画も非常に丁寧でリアルさに貢献。脚本も心理描写がよくできており全体的には良い作品。ですが、気になったのは主人公の「母親」と幼馴染の「愛子」について。
主人公が想いをよせる同居人「比呂美」に同情を寄せさせる話を作りたかったのかもしれないが、どうも母親が比呂美に冷たかった理由である部分の疑惑がイマイチすっきり解決していないのでモヤっとしたまま終わった。
愛子の方は【ネタバレになるが】終わってみれば空気キャラ。いいキャラなのに終盤はもう存在が…。好きな人の紹介でその友達と付き合うという行動自体がもはや関係の中に入れないフラグが立っており、今さら主人公に何をしても大きな流れには参加できない感じがちょっと勿体なかった。
また、【ネタバレ反転】
脚本のセリフ・行動上比呂美にはどうも賛同が得られない要素が多かったように感じ、結末は多くの人が乃絵!乃絵を!というように感じていたのでは?と言う気がします。それもまたいいスパイスになったのかもしれませんがそれに答えないあたりは評価が分かれそうです。
序盤は続きが気になる展開でしたが上記の様な理由もあり終盤に向け、先が読めてしまっていたこともあり個人的には少し退屈な部分も目立ちました。
しかしながら3人のヒロインに対し、恋愛に素直になっていく様は他では観られない心模様を表現しており、非常にリアル。すれ違う様やドキドキさせられる作りはドラマチック。
またギャルゲー原作ではあるが、エロ要素は無いと言ってもいいくらいなので万人に勧められる。
まだ未視聴の人は是非、余計な情報を持たずに青春恋愛模様を素直に観てほしい。(といってもこのレビューがすでに余計な情報を与えている気がするが…)
どのヒロインに共感・愛着を感じたかで大きく満足度は変わるとは思いますが、「作品を一つ観た」と言う意味ではしっかり満足できると思います。
『ヨルムンガンド』【B+79】
『ヨルムンガンド』(Jormungand)
おススメ 【B】
話数:全11話
今までに見た回数:2回
制作年:2012年4月 - 6月
ジャンル:アクション
1. 設定(世界観) |
7 |
2. ストーリー展開 |
7 |
3. 登場人物設定 |
7 |
4. キャラデザイン |
7 |
5. 作画(背景/美術) |
8 |
6. 演出(アクション) |
9 |
7. 声優 |
8 |
8. 音楽(OP/ED) |
9 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
10 |
10. その他→爽快&見やすさ |
7 |
合計 |
79 |
ストーリー
―――僕は、武器商人と旅をした。
両親を戦争で失い、武器に関する一切を憎む主人公の元少年兵ヨナは、神の悪戯か、若き武器商人の女性、ココ・ヘクマティアルと、その部下である「ヒトクセもフタクセもあるが優秀な」私兵8人と世界各地を旅する事になる。
世界の敵でもあり、味方でもあるという矛盾をはらむ職業・武器商人――。
世界的な海運王を父に持ち、HCLIヨーロッパ・アフリカ兵器運搬部門に所属し、世界の紛争地帯で“世界平和のために武器を売る"ココ・ヘクマティアルは、両親を奪った“武器"を憎みながらも銃を持って戦場でしか生きられない寡黙な元少年兵ヨナを自らの私兵部隊に引き入れる。
ココの私兵には、経験豊富な古参の傭兵レームや圧倒的な戦闘力を誇る女兵士バルメなど個性豊かなメンバーが揃っていた。新しい仲間ヨナを加えたココと部隊のメンバーは、タフな交渉や激しい戦闘を切り抜けながら、世界各地で“ビジネス"を展開していく――。
Wiki&Amazon(Blu-ray1巻商品紹介)より
原作の漫画は以前に読んでいる状態で視聴。ただ最終巻まで読んでいなかった状態。アニメを観て思いだし視聴後に全11巻を購読しました。
漫画の方は正直、アクションの構図がわかりにくく、キャラも画が完成されてなかった(ごめんなさい)のでどっぷりハマれなかったのですが、それがアニメになると一変。
アニメだとアクションシーンも動きが分かり易く、キャラの作画も安定。色や声が付きすごく見わけもつけやすい。当たり前のことなのですがアニメ化によるメリットばかりが目立つのはちょっと珍しい。それもストーリーが原作に忠実に作られていることも理由。話を大きく欠けさせることなく原作通り観れるのは非常にうれしい。
なにより原作が終了してからのアニメスタートなのでこの辺も話の回収に関して期待大。
原作未完結のままアニメ化し、アニメオリジナルの終わり方を選んだり(良い終わり方もあるが)、結末を作らないまま投げっぱなしのアニメ作品も多いのでこの辺は安心できます。
ただ、今回レビューのヨルムンガンドの春アニメは原作のちょうど半分まで。2012年秋から2期が始まりますが3ヶ月を空けたのは残念。ほぼ原作通りの内容なので一気に2クールで完結させて欲しかった!
また1クールの締めの話が微妙に賛否両論になることは明白。ご都合主義に見えることが多いので…。しかし次のアール編からはそんなことも無いので原作ではバランスが取れていたんですがなぜここで一度止めてしまうのか!(泣)
一気にやってしまえば評価が大きく変わるアニメなのに~!という気持ちです。
肝心の内容ですが、武器商人「ココ」と武器を憎む少年兵「ヨナ」の話。
今回のレビューは原作で言う前半にあたるのですが、基本的には武器商人としてのストーリー。
メインの登場人物になる護衛メンバーは8人と、話数に対し非常に多いのですが、主軸のストーリーに絡めて、ココを護衛するヨナ以外のメンバーのストーリーも展開していくためきちんと印象に残ります。
そして不思議なのが印象に残る「敵キャラ」。
敵味方含め個性的すぎるといえばそうなのですが、狙いすぎた感じをうけないまま観れたので非常に作り方がうまかったと思います。
キャラデザインはクセがありますが同じ顔ばかりの作品とは違うので私は非常に高評価。
男女ともに描き分けができており分かり易かった。(バルメとカレンは紛らわしかったが)
あと最近定番の、女性キャラにいわゆる「どストライクにかわいい」見た目、性格ともにぷりぷりしたキャラはいないのですが、筋肉ムキムキの女戦士萌えという新ジャンルの系統に魅力がありました(笑)
アクションに関しては戦術的な要素も含まれる内容になるので他作品と比較すると物足りないところもあるかもしれませんが様々な種類の武器を使ったアクションの表現がうまい。
リアルさも兼ね備えている魅力がある半面、専門的な知識を持って観ていると突っ込むところもあるようですが、単純にナイフから近接銃撃戦に遠距離射撃、その他にも多数。見どころはしっかりありました。
個人的に特によかったのがOP曲の川田まみさんの「Borderland」と劇伴。
全話まとめて観る場合はOPを飛ばすことが多いのですが、きっちり全話OPからしっかり観ました。2期へ続く描写も含まれておりOP曲もOPの造りも非常に好みです。
劇伴も観る前から作曲に岩崎拓さんの名前を見つけてから過剰に期待していたのですがやっぱり私好み。特に次回予告時の遊び心満載の曲「Time to attack」は数秒しかないのに耳から離れず、フルで聞きたくなりOST(オリジナルサウンドトラック)を購入するきっかけになりました。
本当に高評価だったのですが、2期に分けたことが惜しい作品。分けたことでどうしてもストーリー評価が落ちてしまった。
先述にもありますが今回の1期は最後に2期の予告を匂わせるところで話が終わりますが、原作後半となるアール編から大きく話が進展し始めます。ココの野望(ヨルムンガント)計画の話へ。
秋の2期が待ち遠しい作品です。
『ノエイン もうひとりの君へ』【B-71】
『ノエイン もうひとりの君へ』(ノエイン もうひとりのきみへ)
おススメ 【B】
話数:全24話
今までに見た回数:1回
制作年:2005年10月-2006年3月
ジャンル:SF
1. 設定(世界観) |
8 |
2. ストーリー展開 |
7 |
3. 登場人物設定 |
8 |
4. キャラデザイン |
6 |
5. 作画(背景/美術) |
9 |
6. 演出(アクション) |
6 |
7. 声優 |
7 |
8. 音楽(OP/ED) |
8 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
7 |
10. その他 |
5 |
合計 |
71 |
ストーリー
無限にある時空の内の一つ、この世界から見ればなり得るかもしれない、15年後の世界の中の一つ「ラクリマ時空界」は、別の時空「シャングリラ時空界」と恒常的な闘争状態にあった。地上は荒廃し、人々は地下での生活を余儀なくされている。「竜騎兵」たちは超常的な戦闘能力をもって、シャングリラから送り込まれる兵器・遊撃艇を撃破する。しかし、ラクリマの劣勢は誰の目にも明らかだった。かくして竜騎兵に、シャングリラの侵攻を防ぐ切り札「龍のトルク」の奪取が命じられる。
現代、夏。函館に住む小学6年生上乃木ハルカは、友人たちとともに残り少ない小学生生活を満喫していた。唯一の気がかりは、中学受験を母親に強いられ、ストレスで押し潰されている幼なじみ後藤ユウのこと。そんなハルカの前に、黒いマントをまとった一団が現れる。彼ら……ラクリマから転移してきた竜騎兵たちは、ハルカを「龍のトルク」と呼んで付け狙う。その1人カラスは、他ならぬユウの15年後(ラクリマ時空界で)の姿であった。
Wikiより
よく考えられ、作られた作品だったな。というのが観終わった一番の感想。
始まり方は興味を惹く内容、中盤は少し退屈に感じましたが、終盤は手を止めることなく続きが気になって楽しめました。まとめるのは難しい話ですが時空を超えた友情、愛情の話です。
さきに気になったところから言うと、中盤の失速は暗い話が多かったのが原因か。主人公の天然キャラのおかげかスムーズに観れたところはあるが、小学生という年齢設定から見て少し暗かった。また小学生が人間関係や隠し事に悩む時間が長すぎた。丁寧にみせていると言えばそうだし、年相応な気もしますが私には少し違和感。
予想できない展開が待っているというよりはなにか地味というか盛り上がりに欠ける物語で退屈にさせたのかも。ちょっとスリリングさやワクワクが登場人物たちの年齢に対し足りなかったか。
というより「ユウ」がうじうじとしててイライラさせられたのかも(笑)
ただ、どれも不要な話では無かったことは付け加えます。
サブエピソードは後の話の為には重要なものだったが、設定の並行世界とのトラベルという設定と恋愛の話はバランスが取れていなかったように感じる。ただこの作品の魅力はやっぱり「カラス」で、ハルカへの一途(ストーカーチック?)な想いは、年齢が違えど(ロリコンに見える?)変わらないことにあると思うのだが、そのカラスがハルカを好きでいた理由になる明るい方の話がもっと必要だった気がする。
とあれこれ書きましたが、しかし終盤怒涛の展開へ。タイトルの「ノエイン」が登場するまでは量子力学のSF設定はこの作品の魅力に見えないところもあったが、登場後はグッと意味を持ちます。
専門用語は説明不足で理解できないままのものが多いまま進みましたが、意外と世界観の説明はできていて、またアニメで表現できていることは評価。
【ネタバレ反転】
ハルカの相手役のユウ、ハルカを守るカラス、ラスボスの「ノエイン」、全てが同一人物というこの世界観ならではの設定は面白かった。
細かいことを気にしないで根本的なところだけを観ればしっかりと話ができていますが、レビューを書くにあたって説明が皆無だったものも何点か残っていることに気づきました。私には視聴後特別気にはなってませんでしたので問題ありませんでしたが。
風景の作画はピカイチ。函館が美しかった。また特にOPのおかげでグッと世界観が増した印象。
しかしキャラ作画はよく指摘されている通り、大きく変わったり、崩れる(?)ことが…。赤根監督の特徴とのことですが好き嫌いは分かれそうです。キャラデザインも他のアニメに比べ特徴が出ている為好みは分かれるところ。
バトルシーンは見どころが多かったが同時に荒々しさで気になったところも多数。それも味といえば味ですが。
最後に指摘の通り、キャラ作画等に癖がありますが、作品の軸はブレを感じない造りこまれた作品でした。雰囲気は全体的に暗めでエンターテイメント性は低く見えますが、見どころは多くあります。
ストーリーも基本的には無駄が無いものなので、何か一本しっかりと観たい気分のときに観るのをおススメします。
『Another』【B-70】
『Another』(アナザー)
おススメ 【B】
話数:全12話
今までに見た回数:1回
制作年:2012年1月 - 3月
ジャンル:ホラー・ミステリー・サスペンス
1. 設定(世界観) | 8 |
2. ストーリー展開 | 7 |
3. 登場人物設定 | 6 |
4. キャラデザイン | 7 |
5. 作画(背景/美術) | 9 |
6. 演出(アクション) | 8 |
7. 声優 | 5 |
8. 音楽(OP/ED) | 5 |
9. 音楽(BGM/劇伴) | 7 |
10. その他→怖さ | 8 |
合計 | 70 |
ストーリー
父の不在や自身の病気療養のため、母の実家に身を寄せ夜見山北中学校に転入してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。不思議な存在感を放つ少女・見崎鳴に惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。
実は、恒一の所属する3年3組はある現象の影響下にあった。現象が発生する年は「ある年」と呼ばれ、クラスの関係者から毎月死亡者が発生する。「ある年」には誰も気付かないうちにクラス内に過去の現象による死者がまぎれこみ人数が増えるが、その代わりとしてクラスの誰かを「いないもの」として扱い人数を戻すことでこの現象を抑えることができると伝えられており、鳴はこの年の「いないもの」であった。
そんな中、クラス委員の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げ「五月の死者」が発生し、更に続けて「六月の死者」も出たことで現象の発生が確実となった。更なる恐怖に襲われたクラスメイトは、新たにクラス委員となった赤沢泉美を中心に恒一も「いないもの」として対策を強化することを決める。「いないもの」同士になった恒一と鳴は交流を深めるが、七月にも更なる犠牲者が発生したことで、「いないもの」による対策は無効とされ終了する。
Wikiより
レビュー
小説、漫画は読んでいなかったのでアニメが初見。
放送中に4話くらいまで見て、あとは撮り溜めて一気にみようと最終話まで待ちました。ネタバレも怖くてネットでもできるだけ避けてました(笑)
私としては2話までを飽きずに観させ、3話で一気に引き込む。それができればいいアニメだと思うのですが3話が特によかった。
あえて怖いのを承知で夜中に電気消して一気に観たんですが、なかなか目が離せない感じがいい。※良い子はマネしないでね。
どうやって災いを止める?「死者」は誰?と推理も楽しみながら次へ次へが止まらず結局一日で観てしまいました。
序盤の不気味な感じ、何か観ているだけで生暖かい風に包まれたかのような気味の悪さ、得体の知れない現象に巻き込まれていく生徒達の恐怖もうまく伝わってきた。
また面白かったのが映画のデッドコースターのように「人の死の予感」が待っており、次は…とドキドキしながら観れる。しかも自分の予感が外れると本当に目が離せない。
作画も丁寧で、効果音もなかなか。
キャラデザはかわいすぎる気もしますが下手なホラーよりも雰囲気が出ていて、ミステリーとしても(途中までは)秀逸。
ただ最終話に近づき若干の不満も。
【ネタバレ反転】
終盤でのヒロインの義眼の能力の発覚がちょっと残念。ここは推理の色を残してほしかった分裏切られた感じがしました。
また死人が多すぎることと、それによりそれまでの「死」の怖さが薄れてしまったのは残念。
万人受けはしない作品ですが、このジャンルが大丈夫な人なら観ても損は無いと思います。