『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』【A-80】
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(あのひみたはなのなまえをぼくたちはまだしらない。)
おススメ 【A】
話数:全11話
今までに見た回数:2回
制作年:2011年4月 - 6月
ジャンル:青春
1. 設定(世界観) |
6 |
2. ストーリー展開 |
6 |
3. 登場人物設定 |
6 |
4. キャラデザイン |
8 |
5. 作画(背景/美術) |
10 |
6. 演出(アクション) |
9 |
7. 声優 |
8 |
8. 音楽(OP/ED) |
10 |
9. 音楽(BGM/劇伴) |
8 |
10. その他 泣かす!!! |
10 |
合計 |
80 |
ストーリー
幼い頃は仲が良かった宿海仁太、本間芽衣子、安城鳴子、松雪集、鶴見知利子、久川鉄道ら6人の幼馴染たちは、かつては互いをあだ名で呼び合い、「超平和バスターズ」という名のグループを結成し、秘密基地に集まって遊ぶ間柄だった。しかし突然の芽衣子の死をきっかけに、彼らの間には距離が生まれてしまい、それぞれ芽衣子に対する後悔や未練や負い目を抱えつつも、高校進学後の現在では疎遠な関係となっていた。
高校受験に失敗し、引きこもり気味の生活を送っていた仁太。そんな彼の元にある日、死んだはずの芽衣子が現れ、彼女から「お願いを叶えて欲しい」と頼まれる。芽衣子の姿は仁太以外の人間には見えず、当初はこれを幻覚であると思おうとする仁太であったが、その存在を無視することはできず、困惑しつつも芽衣子の願いを探っていくことになる。それをきっかけに、それぞれ別の生活を送っていた6人は再び集まり始める。
Wikiより
アニメオリジナル作品であり、1クールでうまくまとまった構成は評価が高い。
幼馴染の死という過去を抱えた若者たちの淡い恋や罪の意識、絆や成長がテーマで、ストーリーの展開に従って複雑化していく人間関係なども描かれる。死んだはずの幼馴染であるヒロイン「本間芽衣子:めんま」が幽霊として主人公「宿海仁太:じんたん」の前に現れるというところはファンタジーだが、足が無いとか、壁をすり抜けられるとかそういったよくある幽霊のような描写は特別避けられている。ただ、生きた人間と変わらず振る舞う姿を描写しながらも、その姿が鏡に映らなかったり、じんたん以外にはその姿が見えていないことを示すことで、彼女が霊的な存在であることを描写しているのが特徴。
ストーリーは幼い頃は仲が良かった6人の幼馴染たちが、突然の「芽衣子:めんま」の死をきっかけに、10年後の現在では疎遠な関係となっている。その一人学校に行かなくなった「引きこもり」主人公「じんたん」の前に小学校の頃事故で亡くなった「めんま」が現れ、彼女から「お願いを叶えて欲しい」と頼まれる。めんまの「願い」をきっかけに動き出すじんたん。引きこもりの彼が昔の友達と接触を取り始め、疎遠な関係だった皆の距離感が徐々に狭まっていく。
というものなのだが、10年経てば疎遠になることはよくあることで、小学生の頃の友達と高校生になって連絡を取っていることは殆ど無かった人が多いはず。この設定は私も含め20代以上の多くの人が共感できそうでよくできている。
そして特に1話の出来は素晴らしく、あっという間に引き込まれた。演出も心情描写とうまく結びついており非常にうまい。とくに1話最後のEDの挿入は完璧なタイミングで、ZONEの「secret base 君がくれたもの」(声優リメイク)が流れる。10年前の曲が流れた瞬間、視聴者の心に浮かぶ10年前・青春の記憶にいきなり触れてくるような演出で、この連鎖は涙を誘う。本当に関心した。
全体的によくできている作品なのだが、私が「気になった」という箇所をあえて触れておきたい。そこが気になったせいで客観的な視点に戻され、のめりこめなかった部分である。
【ネタバレ反転】
後半で「めんま」が存在を証明するために筆談をしだすのだが、なぜ早い段階でそれができなかったのか?最初から物に触れていたのだから、じんたんがめんまの存在を証明できずにいたときそうしなかった理由がいまいち分からない。
あと賛否両論あるのだが最終話で、今までじんたんにしか見えてなかった「めんま」の姿がお別れのときだけ皆に見えるようになったこと。(これは解釈の仕方でいくらでも解決できるが…)
上記2点は好みの問題でもあるのだが、私はめんまの幽霊としての「存在」が不確定であることに魅力を感じていた(じんたんの想像上の可能性)から彼女が他に人間に存在を証明する部分は感動と同時に少し残念でもあったりした。
勢いにまかせた終盤でごまかされた感はあったが、全体的な完成度は高かった。放送中に毎週観ていたが一度に観た方が勢いよく上記の様な疑問を感じず楽しめることは間違いない。
「泣き場」を意識した作りになっている展開なので、ストーリーは一話の時点で大方予想がつくが、一度に観ればこれも関係ないと思われる。
人によってはここから「泣き場」です!と押し付けを感じる人もいるかもしれない。でも、わかっていても涙できるはず。それだけ演出や声優さん、音楽もレベルが高い。
登場人物に関しては心情描写が丁寧な一方、主要人物が多いこともあり、1クールでは描ききれなかった点があった気はする。また、セリフが多くなり、終盤は貴重な空気感(間とか溜め)が薄くなり駆け抜けたとこは少し残念。しかし序盤の演出による空気感が素晴らしかったので、「あえて言うなら」というレベルだが。
個人的にはメンバーを一部統合または省略し、厳選したシナリオで2時間半くらいにまとめた映画版を観てみたい。
と思っていたら少し違いますが、めんま視点の劇場版が来年夏にできるみたいですね。
(C)ANOHANA PROJECT
ストーリーや設定で気になる点もありましたが、全体的にすばらしい造りでそれ以上に楽しませてくれます。
皆様におすすめできるアニメです。