あにまな(animana)

アニメ(ANIMe)とマンガ(MANga)のレビュー記録ブログ。80点以上(A)でたら私のおススメです!

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『魔法少女まどか☆マギカ』【A+85】

魔法少女まどか☆マギカ 1 【通常版】 [DVD]

魔法少女まどか☆マギカ』(まほうしょうじょまどかマギカ、PUELLA MAGI MADOKA MAGICA

おススメ 【A

話数:全12

今までに見た回数:2

制作年:201116 - 2011421(放送休止期間あり※本文に記載)

ジャンル:ファンタジー・SF

 

1. 設定(世界観)

7

2. ストーリー展開

10

3. 登場人物設定

7

4. キャラデザイン

7

5. 作画(背景/美術)

9

6. 演出(アクション)

8

7. 声優

8

8. 音楽(OP/ED)

10

9. 音楽(BGM/劇伴)

9

10. その他 1人じゃない!

10

合計

85

 

ストーリー

2011年の世界を舞台に、願いを叶えた代償として「魔法少女」となり、人知れず人類の敵と戦うことになった少女たちに降りかかる過酷な運命を、優れた魔法少女となれる可能性を持ちながらも傍観者として関わることになった中学生・鹿目まどかを中心に描く。

Wikiより

 

放送期間中に震災の影響をうけ、最終回の放送が1か月延期されたりと、結果的には「近年最大の話題性」なった2011年の代表アニメ。『新世紀エヴァンゲリオン』以来の社会現象とまで言われ、テレビアニメが原作となりマンガや小説、ゲーム化、映画化も予定。

 

基本ストーリーは魔法少女モノ。平和な生活をおくる女子学生「まどか」の元に、夢で見た少女が転校してくるとこから話は始まる。そして突如と現れたぬいぐるみのようなマスコット的キャラ「QB(キュウベイ)」を助けたことでまどかは魔法少女の世界に巻き込まれていく。

私は放送当時1話視聴後、それほど期待を持てなかったのでそのまま溜め撮りし、しばらく間を空けてしまいました。というのも1話目はよくある魔法少女ものにしか見えなかったからで、マスコットキャラクター的なものや、ポップなタッチのデザイン。そういうアニメなのかな~と安易に判断してしまいました()

しかしこの作品、3話にて突然姿を変えてきます。(これから観る方は3話まで観てから判断推奨です)

 

あちこちですでにネタバレしまくっているので伏せる必要は無いかと思うのですが、いやはや3話からの展開に驚かされました。今までの空気感はここで一気に落とすための仕込みだったわけですね。

ここからはもう続きが気になって止まらなかった。最初に可愛さを前面に出し、油断させておきながらの世界観の雰囲気の破壊。始まる「契約」の誘惑。ストーリーの流れが非常にうまい。

登場人物も誰をとっても素晴らしい。まどかの友人「さやか」も好き嫌いは分かれているが私は一番人間臭くて好きである。この作品の重要なメッセージ性は彼女にも大きくあり、雰囲気破壊後のQBの黒さは彼女によって発揮される。

かわいい顔で、魔法少女の宿命や設定、仕組みなどを後から説明するQB。え?確認しないのが悪いでしょ?と言うようにさやかを危険な世界に引きずり込む。

その仕組みというのが、どんな奇跡や願いでも叶える代わりに契約した少女はソウルジェムを手にし魔法少女として魔女と戦わねばならないというものなのだが、後出しで、魔法少女は戦えば戦うほどグリーフシードが曇っていく、魔女を倒せばグリーフシードを浄化できるが、グリーフシードが完全に濁ると自分が魔女になってしまう。と後から判明していく。何よりも魔女を倒すためには魔法少女が必要になるという永久の連鎖が生まれておりこれが全ての元凶という設定である。

 

まるで現実世界でいう薬物等の危険な世界への甘い誘惑。また中学生という精神が不安定な時期に本当に騙されないでいられるか。先のことなんか考えられずに動いてしまったり、人に流されてしまったり。友達や先輩がやっているなら大丈夫。となる気持ちも不自然ではない。

そして途中から登場した「杏子」も物語への必要性が大きかった。

足を踏み入れてしまったが最後、引き返せない世界で、さやかは誰にも頼ることができずにいるが、同じ道を歩む杏子に出会う。

【ネタバレ反転】

ともに不幸な最後へと向かうのだが、これも現実世界でいう危険な世界へ踏み込んだ最悪の結末の象徴にみえてしまった。

 

そしてまどかは魔法少女になるのか?

さやかのことで思い悩むまどかに最初からずっと踏みとどまるように説得し続けた「ほむら」のこれまでの謎が明かされ、主人公まどかの意味を同時に深めてみせる。なぜまどかが主人公たりえたのかが最終話目前で明確になるのだが、これがたった1話でやってのけられるのは素晴らしかった。

 

ただ最終話の結末には意見が分かれそうだ。

【ネタバレ反転】

最終回でまどかが魔女化システムを消滅させるのだが、QBの話を解釈すると、戦い続けた結果の魔女化が無くなっただけで、祈りと呪いのバランスは変化していない。

結局魔法少女システムは存在し、魔女に代わり魔獣が誕生。魔獣と戦うことでも呪いが貯まり、最終的には魔女にはならないが消滅してしまう。呪いの結末の姿が変わっただけである。

呪いの行方は変わったおかげで同士の敵に自分がなることは無くなったが、中盤からのメッセージである「甘い話には気を付けろ!」においてはそのままである。まぁ脚本家の虚淵玄さんらしいといえばそうだが不満の残る人も多そうだ。

 

とは言ったものの完全なるハッピーエンドだと陳腐なものに成り下がる可能性もあるので私の意見としては非常によくできた終わりかただったと思う。

 

ストーリーとキャラの話が長くなったが、バトルシーンなども斬新。特長がありすぎて好みがわかれるところだがこの辺は作風を含め、独特の演出がアニメオリジナル作品ならではとなっており非常に良い。

劇伴も素晴らしい出来で神秘的な雰囲気が話を盛り上げる。主題歌も完成度が高く、アニソンとしてというよりも一つの曲としても申し分無い魅力。

 

気になる点で言えば、多少キャラクターの作画の面でひどい表情のものが目立ったこと。

他には強いて言うならタイトルだろうか。まどかの名前があるのに最終話までまどかが活躍しない。友人曰くこれは「ほむらマギカ」だという意見もあった。いやしかし改めて考えてみると最終話を考えればやはり文句は無い。最後にはちゃんとまどかなのだから。

 

この作品は思春期の女の子をとりまく危険な誘惑を魔法少女という設定で表現したものかもしれない。ストーリーの全話がどれも必要な話でかつ、目を離せない展開で素晴らしい。魔法少女のシステム設定や登場キャラの厨二、デザインに嫌いが無ければ楽しめるはずですので是非観てください。

 

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